Turtle Rock Studios、『Evolve』の開発・運営から離れる。プレイヤー数は7月のF2P化から大きく減少へ

Turtle Rock Studiosは、現地時間の10月26日をもって『Evolve』の運営・開発から離れることを明らかにした。同スタジオの設立メンバーの1人Chris Ashton氏は、「残念ながら今日がTurtle Rock Studiosが『Evolve』に取り組むことのできる最後の日だ」と公式フォーラムにて報告している。

【UPDATE 2016/10/26 12:45】2K Gamesは公式サイト上にて、Turtle Rock Studiosが『Evolve Stage 2』の開発を終えることをあらためて発表した。今後も『Evolve Stage 2』およびコンソール向け『Evolve』はオンライン上でプレイすることが可能とのこと。ただしアップデートが実施される予定はなく、現行の2.16が最終バージョンとなる。シルバーキーおよびゴールドキーの取り扱いにも変更はないそうだ。

【原文 2016/10/26 11:06】Turtle Rock Studiosは、現地時間の10月26日をもって『Evolve』の運営・開発から離れることを明らかにした。同スタジオの設立メンバーの1人Chris Ashton氏は、「残念ながら今日がTurtle Rock Studiosが『Evolve』に取り組むことのできる最後の日だ」と公式フォーラムにて報告している。今後『Evolve』のサポートを別のスタジオが引き受けるのかなどは現時点で伝えられていない。

『Evolve』は2015年2月にリリースされた4vs1型の対戦マルチプレイヤーシューターだ。1体のモンスターと4人のハンターが戦う異色の構図や、かつて『Left 4 Dead』を生みだしたメンバーたちが開発を担当していることで話題となった。しかしリリース後は有料コンテンツへの批判やバランス調整などで苦しみ、プレイヤー人口はみるみる減少。今年7月にはPC版のF2P化が発表され、『Evolve Stage 2』へと生まれ変わり頻繁なアップデートが続けられていた。

F2P化により平均プレイヤー数が1万5000人規模へと膨れ上がったことは記憶に新しい。しかし定番の非公式解析サイト「SteamCharts」などで調べると、その後はまた人口が急激に減少。7月にあった平均プレイヤー数1万5000人は、8月には6300人、9月には2500人へと大きく減っている。直近の過去30日間の平均プレイヤー数は1600人ほどとなっており、F2P化で集まったプレイヤーを留めることができていないのが現状だ。

今年7月にPC向けにF2P化された『Evolve Stage 2』。Ashton氏の発言を見る限りでは、コンソール版での展開は難しいようだ

公式フォーラムへの投稿では、Turtle Rock Studiosはまだ『Evolve』のサポートを続けたかったことを強くにじませている。Ashton氏は「これがセルフパブリッシングではなく自身のIPを所有していないトリプルA級ゲームデベロッパーの生き方だ。我々は決断を下せない」とコメント。一方で『Evolve』を開発する機会が持てたことに深く感謝する意向も示している。Turtle Rock StudiosはかつてTHQ下で『Evolve』を開発していたが、そのTHQが2012年に破産。その後、現在の親会社である2K GamesがTurtle Rock Studiosと『Evolve』のIPを買い取り、『Evolve』は無事に発売されることとなった。『Evolve』の開発・運営が続けられない悔しさは残るものの、お蔵入りさせることなく機会を与えてくれた2Kには感謝しているという心情なのだろう。

Ashton氏は『Evolve』と『Evolve: Stage 2』を支えてくれたコミュニティ、すべてのプレイヤーに感謝の意を示している。太平洋時間10月27日の午後12時からは、Twitchで最後の『Evolve』に関する配信を実施すると伝えている。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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