『勝利の女神 NIKKE』運営が重視する要素はなにか?エンドコンテンツの遊ばれっぷりから今後の改修まで、運営プロデューサーにいろいろ訊いた


Level Infiniteが配信している『勝利の女神: NIKKE』(以下、NIKKE)は、2024年11月4日に2周年を迎える。10月26日に実施された生放送ではさまざまなアップデートが告知され、それに応じたイベントも開催される。それに伴い、『勝利の女神 NIKKE』を運営するLevel Infiniteのプロデューサー、Reed Lu氏にインタビューする機会を得た。2周年を迎えた『NIKKE』を運営してきてどのようなことがあったのか、ゲーム内外を問わず多様なお話をうかがった。

──本日はよろしくお願いいたします。インタビューの前に早速なのですが、最近更新されましたサイドストーリー『WORDLESS』が大変素晴らしかったので、まずそれをお伝えしたいと思いました。

Reed氏:
ありがとうございます。

──大変感動しましたので、2周年のメインとなるイベントシナリオも間違いなく期待できるなと思っているところです。

Reed氏:
そうですね。本当にすごいボリューム量で作り込んでい ますので楽しみにしていてください。

1周年以降実装されたユーザーフレンドリーなシステム

──2周年の内容については生放送などでも紹介があるかと思いますので(収録は生放送前)、今回は1周年から2周年の間にどんな変化があったか、その内容についてお伺いしたいと思います。まず臨時合流機能についてお伺いしたいのですが、この成長したニケをレンタルする機能に加え、戦力の計算方法によって難易度がかなり軽減された印象があります。これによって、最新章までたどり着いているユーザーが増えたのでしょうか。


Reed氏:
臨時合流機能を実装した理由は、より多くのユーザーにメインストーリーを楽しんでもらうことです。ストーリーは『NIKKE』にとって大きなポイントなので、その点についてはいろいろと施策を試みています。新規ユーザーがどんどん増えてきましたので、必ずしも割合的に最新章までたどり着いているユーザーが増えたとは言えませんが、臨時合流や戦力の計算法の変更によって、難易度の緩和でユーザーが新しいメインストーリーを体験することができていると考えています。

また、今年9月のアップデートでSSRのレベル上限が160になり、いわゆるレベル160の壁というものが突破しやすくなっている改善も行っています。

──続けて同じく新要素についてなのですが、今度は初心者ではなくベテラン向けと言える迎撃戦の異常個体についてお伺いしたいと思います。私自身、現在ニケのレベルが420ぐらいなのですが、4段階もしくは5段階までしか到達できておらず、難易度の高さを感じています。現時点で最終段階まで到達した指揮官はどれぐらい存在しているのでしょうか。


Reed氏:
異常個体を実装した設立した理由ですが、すぐにプレイヤーにクリアしてもらうためのものではありません。長期に渡るプレイヤー向けの目標として考えております。具体的に数字は公開できないのですが、最後まで到達した指揮官の数は決して多くはないのは事実です。難易度については今後プレイヤーのフィードバックをいただきながら、調整できればと考えています。

──基本的には私も長期的、段階的にクリアしていくコンテンツだとは認識しています。同じく新要素かつ高難易度コンテンツとして、シミュレーションルームのオーバークロックも実装されています。こちらについては逆に最高難易度については趣味の領域、挑戦コンテンツになっていると認識しています。こちらについても最高難易度をプレイしている人はどれくらいいるのでしょうか。

Reed氏:
オーバークロックについても、やっぱりさっきと同じく具体的な数字が言えないのですが、少ないのは間違いないです。デザインの目的としてはさまざまな育成段階のプレイヤーにより多くの選択肢を与え、育成を進めてもらうためのものです。


──シミュレーションルームの話が出たタイミングで、個人的な願望も込みなのでお願いがあります。オーバークロックは定期的に更新されるのですが、更新のタイミングがわかりづらいなと思っております。そこを今後改善していただければありがたいなと思っております。

Reed氏:
ご意見ありがとうございます。 これは確かに今の問題点の1つなので、フィードバックをもらいながら調整をしていきたいと思います。


コンテンツの実装について、ユーザーの需要をどう見極めるか

──しばらく追加コンテンツの話が続きましたが、続けて今まで実装されたニケの数々についてお伺いしたく思います。バリエーション違いのニケが1年目以降目立っている印象があるのですが、コスチュームだけが実装されるものと、衣装を着替えた別のニケとして実装される場合の選考基準はあるのでしょうか。一例としては、最近のイベントでクインシーは新しいキャラクターとして実装されていますがミランダは新コスチュームのみが実装されていました。


Reed氏:
実は、とくに決まったルールはありません。選考基準が何かというと、メインストーリーの展開やイベントストーリーのテーマによってキャラクターに一番似合う形で実装することを考えて決定しています。

──先ほど新規ユーザーが増えているというお話を伺いましたが、限定のニケが増えている分、新規の方の入手機会が減っているのではと考えています。今年は水着の限定ニケは2人実装され、4人分の復刻がありました。そのため、来年になると復刻が6つになるのではと考えています。これらの限定キャラの増加にたいして、夏ではないが水着を復刻するなどの復刻機会の増加はあるのでしょうか。

Reed氏:
復刻については今まで通りにそのイベントの内容によって復刻を選んで行く予定です。過去の復刻については今の段階では復刻を増やす企画は 予定していません。

──新規ユーザーからの連想なのですが、『NIKKE』開始以降、継続して運営されていた中で、日本ユーザーの属性の変化のようなものはあるのでしょうか。

Reed氏:
やはり日本のユーザーは他の地域と比べてゲームやアニメという文化にすごくなじんでいるように思っています。ニケについても数値やステータスを追求されているだけではなく、やっぱりキャラクターの外見やストーリーを他の地域と比べて重視しているイメージがあります。これが運営側から見たその日本のユーザーの特徴です。

──『NIKKE』を運営するにあたり、データとユーザーのそのリアクションが違うこともあると思います。SNSでは好評だが、データ上は反応が好評ではないなど。データとユーザーのフィードバックが矛盾した時はどのように選択を下していますか。

Reed氏:
おっしゃる通り、いくつかデータとフィードバックがちょっと違うこともありました。いくつかのキャラクターがやっぱりSNSでいい反響であっても、実際ユーザーがガチャを回してくれないときもありました。そのような時には、その原因を突き止めます。データとフィードバックが違うのは理由が存在しているわけで、その理由は突き止めて今後のイベントやデザインに改善点を入れるなどの対応を行っています。

独自色の強い広告展開について 

──Webサイトに限らず、『NIKKE』というコンテンツは外部への展開が多いように思います。たとえばNIKKE Exhibitionという展示会が大阪でも開催されており、私も大変楽しませていただきました。この展示会は、東京と大阪のみでの開催となっていましたが、名古屋や九州、北海道と他の地方で広めていく計画はあるのでしょうか。

Reed氏:
NIKKE Exhibitionのお話だけで言うと、他の地方で展開する予定は今のところありません。ですが、その展示会だけではなくて、他のイベントについては日本の各地方でも開催する可能性があります。

──ポップアップストアのような形式は各地で行われていますよね。

Reed氏:
はい、そのような形で他のイベント開催を考えております。

──地方展開という意味で近い質問なのですが、道頓堀でやっていたアドクルーズを見に行きました。コスプレイヤーさんが広告船の上で手を振っている姿が大変インパクトがあったのですが、あのような独自の広告を他の地方で行う可能性はあるのでしょうか。東京では新宿の立体映像を使った広告が印象に残っています。

Reed氏:
あれは確かにおもしろい試みになっていました。これからもゲーム外でもユーザーにユニークな体験をもたらすために、東京大阪以外にも他の地方の都市でも広告を試みたいですね。もちろん、日本だけではなく世界各地でもいろいろと試したい広告がありまして、ぜひ楽しみにしていてください。


3周年に向けて目指すものは『NIKKE』ならではの新しい体験

──ユニークな体験という意味では『NIKKE』自体他には同ジャンルのゲームがない作品という認識があります。他ジャンルのゲームに対してライバルとして意識しているゲームはあるのでしょうか。もしあるとすれば、それらのライバルに対してどのようにキャッチアップしていくか、どのように意識しておられるのでしょうか。

Reed氏:
『NIKKE』というゲームは特徴から言うと、市場で一般的ないわゆる美少女収集系のゲームだけではなく、そこに独自のゲームプレイを融合させたものです。そのため、どのジャンルかと言われると美少女ゲームのジャンルに入ると思います。その中で『NIKKE』という射撃シーンを背中から見るというゲームプレイの独創性を保ちつつ、アニメ系や美少女系ゲームというジャンルの中で目立ちたいと考えています。

──締めの質問として『NIKKE』の3年目について教えてください。運営を行って来たこの2年、テーマがあったかと思います。3年目はどうしていきたいかを教えていただければと思います。

Reed氏:
3年目に向かって何が一番大事かというと、やはりストーリーとキャラクターですね。それが『NIKKE』のユーザーにとって一番の楽しみだと思います。それだけではなくて、どのようにストーリーとキャラクターを生かして、ユーザーに新鮮さを与えるようなコンテンツを作るのが課題となっております。ユーザーに『NIKKE』が古いゲームだというイメージをつけないようにしたいですね。

──いろいろな新しいことをしようというマインドがチーム内にも大きく、それに対するモチベーションが非常に高いということでしょうか。

Reed氏:
まさにその通りですね。やっぱり新しいものを作り出すのはいつも目標としております。われわれパブリッシングチームとしてもいつもSHIFT UPさんにはどんどん新しいコンテンツを出してもらえるよう協力しています。


──ありがとうございます。ずっと新しいことに挑戦されている上で、今後さらにどんな新しいことをしていただけるか楽しみにしております。

『NIKKE』はPC/モバイル向けに基本プレイ無料にて配信中である。