『Overwatch』2人の新ヒーローと6種の新マップを開発中、「シンメトラ」の大幅改変も実施予定
Blizzard Entertainment(以下、Blizzard)は5日、チーム対戦型FPS『Overwatch』(オーバーウォッチ)における今後のロードマップを報告し、2人の新ヒーローと6種類の新マップの開発に着手していることを明らかにした。また、パブリックテスト環境(以下、PTR=Public Test Region)にて変化が確認されている「ウィドウメイカー」のスコープスピードに言及したほか、現状では一部のマップやシチュエーションでしか活躍が見られない「シンメトラ」を、より汎用性の高いキャラクターへ改変する計画があるとも明かした。ゲームディレクターを務めるJeff Kaplan氏が、コミュニティ内で議題に上がったユーザーの関心にコメントしている。
ヒールできないサポートヒーローに賛否
『Overwatch』は、6人ずつのチームに分かれて計12人でオンライン対戦が楽しめる一人称視点のMOBA系アクション・シューティング。BlizzardがWindows/PlayStation 4/Xbox One向けにリリースした十数年ぶりの完全新規タイトルである。未来の地球を舞台に、多種多様な武器や装備、特殊能力を操るヒーローが登場するのが特徴で、キャラクターによって得意分野や役割分担が大きく異なる。
先日、「ウィドウメイカー」がスコープを覗き込むまでの時間が0.2秒短縮された代わりに、最大ダメージが出せるまでのチャージ時間が0.05秒伸びているとの報告が、PTR専用フォーラムへ投稿された。今回のアップデート動画で、Kaplan氏は変更内容に言及し、アニメーションのキャンセル動作がダメージ量を左右する現在の仕様に賛否があったためと説明している。
「シンメトラ」は、敵の移動速度を低下させる設置型のレーザータレットや、味方を指定の位置まで瞬間移動させるテレポーターが特徴のサポートヒーロー。味方に少量のシールドを付与するスキルは有しているが、サポート役の中ではヒール能力を持たない唯一のキャラクターだ。そのため、以前からディフェンスキャラクターに変更すべきではないかとの声も寄せられていた。事実、現状ではペイロードルールの防衛側や特定マップにおける試合序盤など、非常に限られた状況でしか活躍の場が見られない。開発チームは現在、より汎用性の高いキャラクターを目指して、大幅なデザインの変更を計画している。具体的な改変内容には触れていないが、必ずしも彼女をヒーラーに作り変えたり、サポート枠から除外するというわけではなさそうだ。時期は早くても11月中旬を予定しているとのこと。
Blizzardは現在、さらに2人の新キャラクターに着手している。「実のところ次のヒーローに取り掛かっている真っ最中なんだ。1人目はかなり出来上がっている。来る日も近いね。今は社内全体でテストプレイをしてもらっているところだ。このヒーローは割合早い段階でお披露目できると思う」。2人目のキャラクターに関しては、現在プレイスホルダーのモデルやエフェクト、アニメーション等をテストしている段階であり、発表の時期は来年になるという。近日の登場が期待される1人目のヒーローは、代替現実ゲームとして長きにわたってヒントの暗号が散りばめられてきた謎の人物、「Sombra」の可能性も考えられる。11月4日から開催される「BlizzCon 2016」での新情報が期待できそうだ。
くわえて、新たに6種類のマップが制作されている。2つは既存のゲームモード向けに用意しているもので、残りの4つは実験段階の新ルール用に開発中のプロトタイプだという。既存モード用の1つは、すでに十分なテストプレイが完了し、現在はアートワークに着手している段階とのこと。1人目の新ヒーロー同様、比較的早いタイミングでの披露が期待できる。新マップに関しては先月、ランクマッチ第2シーズンの開始と同時に、ドイツの城下町を舞台にしたマップが実装されたばかりだ。なお、必ずしも6つ全ての新マップが実際にリリースされる保証はない。大抵の場合、テスト段階でボツになる可能性を考慮して、予定よりも多くのコンテンツを用意する必要があるからだ。特に、『Overwatch』は全てのヒーローが活躍できるゲームバランスを追求していることもあり、一部キャラクターにとって相性の悪いマップやルールが採用されることは、まず考えられない。
余談になるが、ハロウィーンの季節に合わせた期間限定のルートボックスが、近日発売されるのではないかと、フォーラムサイトRedditで噂されている。投稿されたXboxストアのスクリーンショットによると、ボックスから手に入る4つのアイテムの内、少なくとも1つはハロウィーン限定のキャラクタースキンが含まれているようだ。また、サービスの提供は11月1日の午後4時までと記載されていることから、夏季限定だったオリンピックテーマの配信時期から予想すると、おそらく来週頭からの販売開始が妥当だろう。公式の発表が待たれる。