現代都市オープンワールド『Neverness to Everness(NTE)』は、“お決まり要素”に「生活感」「暮らしてる感」載せ。コンビニや公園、桜が並ぶゲーム世界で過ごす日々
Perfect World Games傘下のHotta Studioが現在開発中の『Neverness to Everness』。同作は東京ゲームショウ2024で大きなブースを出していた。開発元であるHotta Studioは、『Tower of Fantasy(幻塔)』も手がけており、基本無料オープンワールドゲーム系の経験のあるスタジオだ。いまや同ジャンルはさまざまな作品がある。前作を含めて、新作でどう差別化するのか。プレイアブルデモをさわったり、スタッフの話を訊いたりしたところでは、筆者は『Neverness to Everness』においては「生活感」「暮らしてる感」が魅力であると感じた。
『Neverness to Everness』は、Unreal Engine 5で開発中のオープンワールドRPG。現時点で告知されている対応プラットフォームは、PS5/PC/モバイル。『Neverness to Everness』の舞台となるのは、異象(アノマリー)と人間が共存する大都市ヘテロシティ。プレイヤーは骨董品屋エイボンの鑑定士であり、また“免許証なし”の異象ハンターとなって、ありとあらゆる異象に関する依頼を受け解決していく。
TGSで体験できたのは、戦闘を含めたストーリーパートと、探索パート。ストーリーパートでは、ヘテロシティを舞台にアノマリーに関する任務を遂行。物語の導入やチュートリアルが体験できるわけだ。ストーリーは筆者が体験した範囲ではフルボイス(日本語対応ビルドは今回初出しだったようだ)。カットシーンは多彩なアングルでリッチな表現が際立つ。バトルについても、手軽な操作で多彩なコンボが繰り出せるシステム。トゥーン調なシェーダーやエフェクトによって画面は賑やかで、『鳴潮』や『ゼンレスゾーンゼロ』のような、「少ない入力でリッチな結果」といった体験が味わえた。
と、ここまで聞くと、ほかの基本無料オープンワールド系と大きな違いはないと感じるかもしれない。本作の個性をたらしめていると感じたのは、「舞台」である。『Neverness to Everness』のヘテロシティは「都市」であり「街」である。私達が暮らす日本を含むアジアがかなり等身大に表現されている。
この手のゲームでは、ファンタジー世界やオリエンタル世界に振り切ることが多いが、SF要素薄めの現代都市が表現されているのは感慨深い。街を歩けば外食店ぽい店もあれば、個人商店ような店が並ぶ通りもある。やや都市部のアジア都市という感じだろうか。公園もあれば、港もある。コンビニのような場所もあれば、桜のような木々も見られる。歩行者も多く車も走っている。電車にも乗れる。「生活感」があるわけだ。現実では見慣れた場所ではあるが、この手のオープンワールドゲームであまり舞台にされることは少ない印象で、新鮮だ。ちなみに車でドライブする要素もあるほか、不動産屋では家も買えるとのことである。
筆者はTGSビルドで街中を歩いたが、かなり新鮮に感じた。街の物や人に関して干渉できるわけではなさそうだが、それぞれみな生活をもっている、暮らしがある、そして自分が生活しているような感覚を部分的に味わった。開発者報告ビデオなどを見る限り、この生活感を表現するために、ビジュアルやシステムなど多岐にわたる点で「都市づくり」にコストを費やしているのは間違いなさそうだ。広報担当者に訊いたところ、本作は日本からの反応も良いと感じているとのこと。筆者と同様に、日本のユーザーならば本作の都市にどこか懐かしさや共感が生まれることだろう。
『Neverness to Everness』は、現在PS5/PC/モバイル向けに開発中である。事前登録受付もおこなわれている。