『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』先行プレイで印象的だった5つの新要素。クジンシーが強かった

『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』先行プレイで印象的だった5つの新要素。先行プレイをもとに、オリジナル版との差異について重点を置いて検証。

スクウェア・エニックスから、PC(Steam)/Nintendo Switch/PS5・PS4で2024年10月24日(Steam版は10月25日)に発売が予定されている『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』(以下、『リベンジオブザセブン』)。

今回弊誌では、スクウェア・エニックスより提供されたプレビュー版をプレイする機会を得たので、主にオリジナル版との差異について重点を置いたプレイレポートをお届けする。なお、今回プレイしたのはPC(Steam)版で、本記事のスクリーンショットもすべてSteam版のものである。また、バトルのゲームバランス等、一部の仕様については製品版と異なる可能性があるので注意してほしい。

『ロマンシング サ・ガ2』とは

『ロマンシング サ・ガ2』は1993年にスクウェア(当時)が発売した、「フリーシナリオRPG」と銘打った『ロマンシング サ・ガ』シリーズの第2作目だ。かつて世界を救ったが、その強大な力を疎まれ異世界に転移させられた「七英雄」たちが復讐を誓い、長い時間をかけて現世界へ戻ってきた。そして七英雄の一人・クジンシーが現世で勢力を伸ばしつつある新興国・バレンヌ帝国へと戦争を仕掛けたことをきっかけに、バレンヌ帝国対七英雄の数千年にもわたる長い戦いを描く。


『ロマンシング サ・ガ2』については、陰陽師・忍者といった新クラスが追加されたリマスター版が各種プラットフォームで発売されているが、本作『リベンジオブザセブン』はゲーム全体を3D化し、ゲームバランスもまったく新しい形に作り直したフルリメイク作品となる。

原作からの変化1:街・ダンジョンの3D化


今回のプレビュー版では序盤のゴブリン討伐からクジンシー撃破までをプレイすることができた。その中でも大きく原作から印象が変わっていた点は、「街やダンジョンが3D化されていた」ことだ。プレビュー版をスタートしてすぐにゴブリンたちに襲われるアバロン市街だが、ここは原作の2Dマップの構造のイメージを活かしつつ、違和感なく3D化されていた。


一方ダンジョンについては、フル3Dとなったことで大きな変化を遂げている。ダンジョン内に巣くう敵も、ただ周辺をうろついているだけのもの、物陰から突然不意打ちをかけてくるもの、採取ポイントがあると思ったら天井や地面から突然複数のモンスターが這い出てくるもの……など、敵の出現バリエーションも豊かになった。

ダンジョン内には高低差が生まれ、ジャンプや高所からの落下などを活かしてたどり着いた先に、宝箱が置いてある……といった探索の面白さが増えた部分も3D化ならではだろう。


「ソーモンの屋敷」にはオリジナル版を踏襲してミミックが配置されている。3Dになったことを活かして、宝箱を開けた瞬間突然飛び出し、不意打ち扱いで陣形を崩されての戦闘となる。結構な強敵なので、弱点である火属性攻撃などを利用して全力で倒そう。なお、ここには原作通り超強力な耐性装飾品「ソーモンの指輪」も屋敷のどこかに置いてあるので探してみよう。

原作からの変化2:ドット絵だったキャラクターたちの情報量激増


3D化によって、キャラクター同士によるカットシーンも大幅に増えた。これによりストーリーへの没入感がより高まった印象がある。また、3D化によって印象が変わったキャラクターが何人もいる。フリーファイター男のヘクターや重装歩兵のベアはある意味SFC版から変わった印象を感じない忠実な3D化がなされているが、フリーファイター女のアンドロマケーには「え!そんなところにホクロがあるの!?」と、筆者は目を奪われてしまった。


また、オリジナル版ではジェラールにファイアボールを伝授するくらいの活躍しかない宮廷魔術士女のエメラルドにも、「こんなに低身長ながらグラマラスな体形と高露出度だったとは……」と、すっかりオリジナル版のドット絵のイメージを覆されてしまった。


余談ながら、城下のゴブリン撃退に成功した時点で、本作は従者に女性4人のハーレムパーティを組むことが可能だ。ベアのパリィは犠牲になったのだ……。

原作からの変化3:「閃き」「見切り」などは残しつつ、再構築された戦闘


『リベンジオブザセブン』の戦闘で大きく変わった点は、原作がオーソドックスなターン制を採用していたのに対し、今作では順番が回ってきた順に行動を決めてアクションする「タイムライン制」の戦闘を採用していることだろう。画面上部に各キャラクターの行動順待ちが明示されるので、上手く行動順や敵を倒す順番を調整することで効率よく敵を倒すことができるだろう。


『ロマサガ2』を代表するシステムである、技のひらめきや見切りももちろん健在だ。特に今作では技を閃く可能性がある武器やスキルには戦闘中に電球マークが表示されるため、技を閃きたいときには電球マークが表示されたコマンドを積極的に使っていくといいだろう。


また、本作ではオリジナル版になかったが、後に『サガ』シリーズの伝統となった「連携攻撃」も採用されている。本作では戦闘中に敵を倒したり、ダメージを与えたりすると溜まっていく「Overdrive」ゲージを満タンまで溜めると発動できる攻撃で、技の組み合わせ次第で敵に大打撃を与えることができる。

それ以外にも、原作では分割されていた技と術の使用ポイントが「BP」という1つのリソースに統一されたほか、「一度判明した敵の弱点属性が常時表示される」「状態異常が耐性で無効化された場合には耐性による無効化であることが明示される」「敵を倒して得た経験点で成長した武器・術法の熟練度が表示される」など、細かい部分でも遊びやすさを感じる改善が複数なされている。

原作からの変化4:親切になった仲間・陣形編成システム


リメイク版ではパーティ編成も自由度が高まった。オリジナル版では1度パーティに加えた仲間はLPが尽きて死亡するか、皇帝が代替わりするまで外れることはなかったが、本作ではアバロン城の酒場において皇帝以外のメンバー編成を自由に変更することができる。


「インペリアルクロス」のような陣形も健在で、原作では陣形の皇帝の位置は固定だったが、本作では皇帝の位置も自由に変えることができる。重装歩兵のベアの代わりに、ジェラール皇帝が一番危険な先頭に立って「パリィ」しまくってパーティメンバーを守る……という運用もアリかもしれないし、本プレビュー版では試すことができなかったが「龍陣」といった原作では皇帝の位置関係が重要な陣形も、本作ではより柔軟な運用ができるかもしれない。

原作からの変化5:3段階の難度を自由に選べるゲームバランスの大幅な調整

本作では3段階の戦闘難易度(カジュアル・ノーマル・オリジナル)が設けられており、カジュアル・ノーマルでは敵からの被ダメージがそう大きくはないが、オリジナルでは敵の攻撃が非常に高く設定されており、ザコ敵の1発の攻撃でも最大HPの半分を持っていく……なんてことも珍しくない。高難易度では、こちらのリソースを惜しまずガンガン注ぎ込んでいくことが重要になるだろう。


幸い、本作では戦闘後にHPが全快するという原作の仕様を引き継いでいるし、技や術の使用に必要なBPも回復アイテムをダンジョン内で多数拾うことができるようになっている。また、ボス戦の直前にはBPを全快するポイントも用意されているため、ボスには全力で挑むことができるようになっている。全体的な戦闘のテンポも良好で、難易度によっては厳しさを感じることもあるが、遊びやすさ自体はモダナイズされており「かなり遊びやすい」印象だ。


特に戦闘難易度の差を実感したのは宿敵・クジンシーとの戦闘だ。本作の難易度「オリジナル」ではクジンシーからの攻撃の大半がこちらのHPの半分以上を奪っていく非常に高い攻撃力を誇っているほか、原作と違った攻撃方法も持ち合わせており、初見では驚くかもしれない。

その新たな攻撃方法は是非とも読者自身の目で確かめてほしいが、特に難易度「オリジナル」では下手を打つと一撃でパーティ全滅必至のギミックが組み込まれている。RPGの腕に自信のある読者の方は、是非とも難易度「オリジナル」で挑んでほしい。もちろん、「カジュアル」「ノーマル」難易度で無理のない範囲で遊びやすい戦闘を堪能するのもお勧めだ。


『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』は、PC(Steam)/Nintendo Switch/PS5・PS4で2024年10月24日(Steam版は10月25日)に発売予定だ。

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ずんこ。
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DRPGとB級フォロワーゲームと麻雀とポーカーをこよなく愛するブロガー

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