ジブリアニメから影響を受けたアートスタイルが美しいパズルアクション・アドベンチャー『Forgotton Anne』発表
デンマークのインディースタジオThroughLine Gamesは9月22日、2Dシネマティック・パズルアクション・アドベンチャー『Forgotton Anne』を発表した。Square Enix Collectiveが販売を担当し、PlayStation 4/Xbox One/PC向けに2017年発売予定。
『Forgotton Anne』の舞台となるのは、人間世界から忘れ去られた物であふれる不思議な世界「Forgotton Realm」。誰の記憶からも消えてしまった古い玩具などは、「Forgotlings」と呼ばれる生物として存在する。主人公のAnneは「Forgotton Realm」の秩序を守る執行官としての勤めをこなしつつ、師匠であるBonkuと共に元の世界に帰る方法を探している。
「Forgotton Realm」のあらゆるものは「Anima」と呼ばれるエネルギーを動力源としている。執行官であるAnneは「Anima」をコントロールすることができる「Arca」という特殊な石を身につけており、「Anima」を吸い出したり注入したりして、機械や「Forgotlings」を操ることができる。
ゲームには「Arca」を駆使したパズル要素、走ったりジャンプしたりというアクション要素のほか、アドベンチャーゲームの要素もあり、会話シーンでは選択肢が用意され、選んだ言葉によって相手は異なる反応を示し、「Forgotlings」からこの不思議な世界の謎を聞き出すこともできる。
『Forgotton Anne』は先週末にイギリス・バーミンガムで開催されたゲームイベントEGX 2016に、アルファ版がプレイアブル出展された。ステージに登壇したThroughLine Gamesは本作の背景について語り、会話に選択肢のあるアドベンチャーゲームと、『プリンス・オブ・ペルシャ』『フラッシュバック』『アウターワールド』といったパズルアクションゲームとの融合を目指しているとした。
ゲームの世界観については、ギレルモ・デル・トロ監督の映画『パンズ・ラビリンス』や、デヴィッド・ボウイ主演の映画『ラビリンス 魔王の迷宮』といったダークファンタジー・メルヘン作品を参考に構築されている。そして印象的なアニメ調の2Dグラフィックは、すべて所属アニメーターによる手描きで、そのアートスタイルはスタジオジブリや今敏監督などの日本アニメ作品から影響を受けているそうだ。イベントシーンとゲームプレイのアニメーションがシームレスに繋がるのは、重要なコンセプトとして力を入れているという。
音楽は地元デンマークのコペンハーゲン・フィルハーモニー管弦楽団による演奏で、同楽団がゲームとコラボレーションするのは本作が初めてだそうだ。サウンドトラックとしてゲームとは別に提供することも検討している。
販売を担当するSquare Enix Collectiveは、スクウェア・エニックスが2013年に立ち上げたインディー支援プログラム。インディーデベロッパーから募集したゲームのアイデアをゲーマーコミュニティの評価によってふるいにかけ、そこで残った有望なタイトルに対して、KickstarterやIndiegogoなどを利用したクラウドファンディングでの資金集めから、発売にいたるまでに必要なさまざまなサポートを提供する仕組みだ。また、すでに開発資金を用意しているタイトルを発売まで導くサポートもおこなっており、この『Forgotton Anne』も、デンマーク映画協会などから既に資金を得ており、Square Enix Collectiveは販売とそれまでに必要なサポートをおこなう。
『Forgotton Anne』は英語フルボイス対応。いくつかの言語へのローカライズも予定されており、発売日が近づいた段階でその詳細を発表するという。ThroughLine Games共同設立者でテクニカル・ディレクター兼リード・プログラマーのMichael Godlowski-Maryniak氏によると、日本での発売も予定しているそうだ。ダウンロード専用タイトルとしてPlayStation 4/Xbox One/PC向けに2017年内に発売される。
【UPDATE 2016/9/26 20:15】 日本での発売に関するMichael Godlowski-Maryniak氏の発言を追記しました。