より身近なVRへ、うららと楽しむ『スペースチャンネル5ウキウキビューイングショー』
今月5日、グランディング株式会社より正式発表された『スペースチャンネル5 ウキウキビューイングショー VR』。KDDIがコンセプトとして提示しているコミュニケーションVR空間「Linked-door」のひとつのコンテンツとして提供されており、ユーザーは主人公うららのリポートをVRヘッドマウントディスプレイを通じて観覧・応援することができる。TGS2016の会場ではHTCブースにてプレイアブルデモが公開されており、コミュニケーションツールとしてのVRの可能性をあらためて提示したものとなった。
今回のデモはコミュニケーションVR空間「Linked-door」を通じて体験することができる。「Linked-door」は多人数でのプレイヤーを想定したものとなっており、ガイド役をつとめるスタッフを含めた3人のプレイヤーは、ブース内で分かれた別々の部屋でHTC-Viveを装着し、VR空間へ同時に入る。VR空間内では海岸で犬と遊んだり、ダーツを投げ合って競ったり、飲み物で乾杯したりと、コミュニケーションをメインとしたさまざまなアクティビティを体験した。
肝心の『スペースチャンネル5 ウキウキインタビューショーVR』は、事前の情報通りオリジナル版のゲームプレイを楽しめるような内容ではなく、ゲームの舞台であるスペースポート内にてキャスターのうららがモロ星人を撃退する様子を間近に見ながら、両手に持ったコントローラーを上下させて応援することで視聴率アップを目指すファンの一人となるものだった。しかし、本プロジェクトは本格始動してから1か月間で開発されたデモであり、そう考えると『スペースチャンネル5』がVRに登場するというPRすべきポイントは的確におさえた内容だったのかもしれない。
KDDI・商品企画部の上月勝博氏によれば、『スペースチャンネル 5 ウキウキインタビューショーVR』のコンセプトは「新しいコミュニケーションツールとしてのVR」とのこと。今後はモバイルでの展開を視野に入れており、通信形態も4GやLTEからさらに発達した5Gも考慮に入れながら、数年以内に発表できるようにするという。また現時点ではHTC-Viveを使用しているハードウェア面に関しても、軽量化や使いやすさなどを追求し、「身近に使える機器としてのVR」というものも目指していくとのことだ。
今回は単純なデモとして展示された『スペースチャンネル5ウキウキビューイングショーVR』だが、今後「Linked-door」と共に製品化が実現し、広がりを続けるVR市場の新たな旋風として再登場するのか、期待したい。
[取材担当 Natsumi Oshima]
[写真撮影 Bartosz Gańcza]