“アンチ”アドベンチャーゲーム『Diaries of a Spaceport Janitor』。いつか夢を叶えるためにも、今はエイリアンたちのポイ捨てを掃除しよう

第289回目のIndie Pickで紹介する『Diaries of a Spaceport Janitor』は、ドットで描かれる2Dのキャラクターと3Dのマップが融合した“アンチ”アドベンチャーゲーム。プレイヤーは、いつの日か旅立つことを夢見る清掃員Janitorとなって、バザールのゴミ拾いをしていく。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第289回目は発売直前の『Diaries of a Spaceport Janitor』を紹介する。

『Diaries of a Spaceport Janitor』はドットで描かれる2Dのキャラクターと3Dのマップが融合したゲームで、“アンチ”アドベンチャーゲームをテーマとして掲げている。舞台は、とある惑星のエイリアンたちで賑わうバザール。プレイヤーは、いつの日か旅立つことを夢見る清掃員Janitorとなって、バザールのゴミ拾いをしていく。本作がうたっているのは“アンチ”アドベンチャーゲームということで、世界を救うような壮大な物語や、複雑な人間ドラマといったものはほとんど存在しない。明るいうちはバザールを清掃し、食事をする。夜には日記を書いて眠りにつく。そして翌朝は給料を貰い、また清掃へと向かう。それがこのゲームの基本的なサイクルだ。

荒野の中に広がったバザールは歩いているだけでも色々な発見があるだろう。
荒野の中に広がったバザールは歩いているだけでも色々な発見があるだろう。

当然それだけでは、日々掃除をするだけの退屈なゲームだと感じるかもしれないが、本作には目標がある。それは、冒頭でJanitorがドクロにかけられてしまう呪いを解くことだ。つまり、ゴミ拾いなどの基本サイクルをこなしながら、ドクロの呪いを解く方法を探していくことになる。

Janitorは運・空腹・睡眠のステータスを持っている。もっとも特徴的なステータスは運だ。運が良ければ Janitor の夢である他の惑星に旅立つことができるかもしれないとのこと。運のステータスは、お供え物をしたり祈りを捧げたりすることで上昇する。

本作には、少しの冒険要素もある。町の地下にあるダンジョンでは視点が一人称に変わり、宝探しができる。もちろん、危険なことはせず清掃を続けてコツコツとお金を貯めるのもいいし、夢の実現に向けてお祈りをするのもいいだろう。

水の中に入れるといいことがあるらしい。ある者にとってはゴミでも、ある者からしてみれば宝なのだ。
水の中に入れるといいことがあるらしい。ある者にとってはゴミでも、ある者からしてみれば宝なのだ。

なによりの魅力は、落ちているゴミの多様性だ。誰かがこぼした謎の液体から、集めると何かが起きる宝石までさまざまな種類のゴミが落ちている。遊び心があるゴミの数々はエイリアンたちの価値観や、惑星での生活を垣間見ることができ、それだけでも楽しくなるだろう。ゴミはいたる所に落ちており、焼却、回収、そして食べることも……。回収したゴミはお供えしたり、バザールで買い取ってもらえるものもある。落ちているアイテムの取捨選択がこのゲームの重要なポイントだ。多くのゴミを焼却することで給料をもらうか、お供えをして運を上げるか。はたまた拾い食いで空腹をしのいで節約をするのもプレイヤーの選択次第だ。

本作のデベロッパーであるSunday Monthは幣誌でも以前紹介した『Dad Quest』を手がけている。特徴的で笑いを重視しながらも、どこか興味深いゲームを開発していくSunday Monthの新作『Diaries of a Space port Janitor』。戦いの日々に疲れた人から、ただただ綺麗好きな人まで、多くの人の興味をひく作品となるだろう。本作は2016年9月16日にSteamで配信予定だ。

Shun Kurosawa
Shun Kurosawa

得意なジャンルは黙々と練習するゲームですが、基本的になんでもやります。モバイルもアーケードもやりますが、協力プレイは役立たっているのか心配しつつプレイします。

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