HIHAHEHO Studioは5月15日、飲酒夜歩きアドベンチャーゲーム『Bottled Beer Go Around』をPC(itch.io)向けに公開・配信開始した。任意の金額を支払ってダウンロード可能なName your own price方式のリリースとなっている。
『Bottled Beer Go Around』は、“doomer”と呼ばれる海外発のネットミームを題材とした2Dアドベンチャーゲームだ。doomerとは未来や世界への希望を失い憂鬱さを抱えた、深夜の散歩や退廃的な音楽などを好む20代の若者男性を指し、現代社会の諸問題を象徴する孤独を擬人化した存在として海外のフォーラムサイトを中心に広く知られている。そうした背景をサイドビューの横スクロールゲームに落とし込んだ本作では、どこにも行き場のないdoomerの閉塞感を体験できる。
ゲームプレイとしては自宅から酒屋までの夜散歩の往復を通じて、作中の主人公であるdoomerの思考や心情に触れていくものとなっている。家を出て近所の酒屋で瓶ビールを買い、それを飲みながら帰宅して一日を終える短いルーティンをプレイヤーは繰り返していく。日によって頭をよぎる内容や店員とのやり取りにちょっとした変化が見られるものの、いずれの場面においても陰鬱なムードが一貫している。時には選択肢が表示されるシーンもあるが、それによって分岐が生じるといったことはなく、すべて同一のエンディングに帰結するという。こうしたゲーム構造は虚しさに包まれ、どん詰まりの状況を迎えたdoomerの境遇とも重なるようだ。
HIHAHEHO Studioに所属し、『Bottled Beer Go Around』の開発において中心的な役割を果たしたmgr allergen0024氏によると、本作には同氏の過去の経験が大きく反映されているとのこと。作中に登場するテキストは、同氏がかつて書いた大量の日記を読み返しながら制作された旨がXの投稿にて明かされている。また本作のプレイ時間が10分程度であること、『Milk inside a bag of milk inside a bag of milk』などの暗い雰囲気のゲームを好む者へ向けた作品であることもプレスリリースでは伝えられている。
なおHIHAHEHO Studioは、地球創造シミュレーションゲーム『YOUR EARTH』のリリースもPC(Steam)向けに予定しており(関連記事)、『Bottled Beer Go Around』や同スタジオに関連するオリジナルデザイングッズをSUZURIで販売中。各作品に惹かれた方はのぞいてみるとよいだろう。
『Bottled Beer Go Around』は、PC(itch.io)向けに公開・配信中だ。ダウンロード版が日本語、ウェブブラウザ版が英語とバージョンによって対応言語が異なるため、遊ぶ際は留意されたい。