夢治療クリニックシム『chest』発表。不穏で無機質な施設に滞在し「薬」を飲んで夢空間を探索、夢を見られない奇病を克服する

個人ゲーム開発者のjiangli氏は4月24日、『chest』を発表した。夢を見られなくなるという奇病を治療する、一人称視点の3Dシミュレーションゲームだ。

個人開発者のjiangli氏は4月24日、夢治療クリニックシム『chest』を発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)。Steamストアページ表記によると、日本語表示にも対応予定。


『chest』は、夢を見られなくなるという奇病の治療をテーマにした一人称視点の3Dシミュレーションゲームだ。プレイヤーは白いタイルで囲まれた治療施設「Chest」に滞在しながら、失った“夢を見る能力”を取り戻すことを目指していく。

施設の内部は窓や天井から入り込む日差しや白い蛍光灯の光に満ちていて、静謐な美しさがありつつもどこか非現実的な雰囲気が漂っている。またプールやウォータースライダーなどのレジャー設備も用意されていて、この建物が患者のリラクゼーションを意図した空間であることもトレイラーからうかがえる。プールサイドの浮き輪や南国風の木々が施設の無機質な印象を強調し、うっすらとした不気味ささえ感じられる。

 


ストーリーやゲームプレイの詳細は本稿執筆時点で謎に包まれているものの、アイテムとして赤と青の2種類のカプセル薬の存在が確認できる。これらの薬を飲むことで、「夢」の空間の探索が可能だという。施設には少なくとも2階以上のフロアがありプレイヤーはその中を歩き回りながら探索できるが、トレイラーにはトンネルやホテル、山々に囲まれた赤い家といった施設の外部と思われる場所も登場しており、物語は複数のエリアで展開されることが予想できる。

なお映像の一部ではタイプスタンプが画面上に表示されていたり、ホワイトノイズのような音声が流れていたりと何者かによって主人公が監視を受けている可能性も示唆されている。乗っているボートの座席の前にドレスを着たアニメ調の人物が突然現れるシーンのほか、UFOのような飛行物体も姿を見せており、夢なのか現実なのか超常的な現象によるものなのかといった想像がかき立てられる。

 


ストアページによると本作は、jiangli氏およびパブリッシングを手がけるGooodMonとの共同で開発が進められているようだ。中国・上海を拠点とするjiangli氏は、哲学者・プラトンの「洞窟の比喩」に着想を得たアドベンチャーゲーム『ケイブフィクション』を2023年にSteamでリリース。『chest』はそれに続く、同プラットフォームでの2本目のゲームとなっている。「Ex artist(元アーティスト)」と公言するjiangli氏が過去に手がけた映像作品は、同氏の公式サイトに掲載されたリンクから複数閲覧可能。同氏の世界観の一端に触れられるため、気になる方はチェックしてみるといいだろう。

『chest』は、PC(Steam)向けにリリース予定だ。なおSteamストアページ表記によると、本作は日本語表示にも対応予定。

Yuta Tanaka
Yuta Tanaka

本や映画や演劇と同じように、ゲームは世界と自分をつなぐもの。誰もが気楽に出入りできるゲームの浅瀬を広げていくことに、少しでも関われたらうれしいです。

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