Ubisoft、2015年の次世代機移行を視野
ソニーのPlayStation 4とMicrosoftのXbox Oneが発売された2013年末からはやくも1年が過ぎようとしているが、はたしてサードパブリッシャーが完全に次世代機へ移行するタイミングはいつになるのだろうか。『Assassin's Creed』や『Far Cry』シリーズなどをかかえる巨大スタジオUbisoftは、来年以降にも旧世代機の切り捨てをはじめるようだ。海外メディアGame InformerのインタビューをうけたUbisoftのCEOであるYves Guillemot氏が言及している。
Game Informerのインタビューでは、おもに任天堂ハードにて販売して売上を伸ばせる『Just Dance』などタイトルの選別について語られている。そのなかでGuillemot氏は「今年はまだPS3とXbox 360にとっていいことになるだろうとみている。だが来年はPS4とXbox Oneが売上を急速に伸ばすだろうから、われわれはあたらしいハードウェアへと移行するつもりだ」とコメントした。つづけて「2015年以降、われわれが旧世代機でゲームを製作するのは難しいだろう」と、2015年をめどとした次世代機への移行を強調している。
世界最大級のゲーム開発会社であるUbisoftは、『Assassin's Creed IV: Black Flag』や『Watch Dogs』などの最新タイトルで旧世代機と次世代機でのマルチジェネレーション販売を続けてきた。旧世代機の切り捨てによる次世代機への完全移行は、ハード戦略やパブリッシャーの売上だけでなく、ゲーム内容やグラフィックにも大きな影響をあたえる。シンプルに表現の水準が高まるのにともない、開発側には次世代機に見合うクオリティを実現する必要性が生まれる。Ubisoftの看板シリーズである『Assassin's Creed』では次世代機向けには『Unity』、旧世代機向けには『Rogue』と、本年度末のリリースプランは別々に用意されている。だが両作の映像を比較すると、次世代機への完全移行による影響は明白だ。
しかし『Call of Duty』を擁するActivisionや『Battlefield』のElectronic Artsなど、大手各社が同様の舵を取るかは不明だ。理由は多々考えられるが、たとえばマルチプレイを重視する作品においてはプレイヤー数の多寡は死活問題である。活気のある旧世代機を軽々と切り捨てたりはできないだろう。多くのパブリッシャーにとって、追随は容易ではない。