メトロイドヴァニア『オリとくらやみの森』開発元、CEOいわく「もし成功しなかったら破産していた」。しかしシリーズは売上約1000万本に到達
インディースタジオMoon StudiosのCEO Thomas Mahler氏は3月10日、同スタジオが手がけた『Ori and the Blind Forest』と『Ori and the Will of the Wisps』の売り上げが、あわせて約1000万本に達したことを明らかにした。
『Ori』シリーズは、メトロイドヴァニアスタイルの2Dアクションゲームだ。1作目『Ori and the Blind Forest(オリとくらやみの森)』は2015年に発売され、2016年には完全版となる「Definitive Edition」もリリース。主人公の精霊オリは、滅亡の危機にあるニブルの森を救うため、自然あふれる世界を冒険。オリは、共に行動する精霊セインが放つ炎によって敵を攻撃でき、また道中で新たなスキルを習得し、能力を強化しながら探索範囲を広げていく。
続編『Ori and the Will of the Wisps』は2020年に発売。前作のその後の物語が描かれ、オリははぐれてしまった仲間を探す旅をおこなう。ゲームプレイは前作でのシステムをベースにさらに拡張され、近接攻撃など新たなアクションが登場。また、さまざまなキャラクターと出会い会話を交わせる要素も導入され、サイドクエストを請け負ったり、ショップでの購入をおこなったりなどできる。
これらの作品でゲームディレクターを務めたThomas Mahler氏によると、シリーズ累計の売り上げが約1000万本に達したとのこと。タイトルごとの内訳については不明ながら、同シリーズの売り上げ本数が公表されることはこれまでほとんどなく、非常に大きな成功を収めていたことが明らかになった格好だ。
一方でMahler氏は、1作目である『Ori and the Blind Forest』がもし失敗していたら、Moon Studiosは破産していただろうとも述べている。シリーズ両作品はマイクロソフトが販売を担当しており、1作目においては開発初期の段階で販売権を取得するなど支援をしていたことで知られる。それでも、完成までには約4年を費やしており、資金的な余裕はあまりなかったのかもしれない。
結果的に『Ori and the Blind Forest』は、そのゲームプレイや美しいビジュアル、そして感動的な物語などが好評となり、ユーザーおよびメディアから非常に高い評価を獲得。当時のMoon Studiosによると、PC/Xbox One版の発売からわずか数週間で損益分岐点を超えたという。またMahler氏は、マイクロソフトにとっては発売1週間で利益を生んでおり、シリーズの将来について考えることになるだろうとコメントしていた(GameSpot)。その後続編『Ori and the Will of the Wisps』がリリースされ、前作を上回る評価を得ることとなった。
ちなみに、Moon Studiosはオーストリアに拠点を置くスタジオであるが、世界中から有能なスタッフを雇い、そのほぼ全員がリモートワークをおこなっていることでも注目された。Thomas Mahler氏はオーストリアのスタジオで働いているようで、『Ori』シリーズが1000万本売れたことで、オフィスにNEOGEOを導入できたとジョーク交じりに述べている。同オフィスには、ほかにも過去のゲーム機やその開発機が多数収集されており、たとえばニンテンドーゲームキューブの阪神タイガース2003年優勝記念モデルも存在するとのこと。
『Ori and the Blind Forest: Definitive Edition』は、PC(Steam/Microsoft Store/GOG.com)/Nintendo Switch/Xbox One向けに発売中。『Ori and the Will of the Wisps』はPC(Steam/Microsoft Store)/Nintendo Switch/Xbox Series X|S/Xbox One向けに発売中だ。各作品はXbox Game Pass(PC/コンソール/クラウド)向けにも提供されている。
また、Moon Studiosは新作アクションRPG『No Rest for the Wicked(ノー レスト フォー ザ ウィケッド)』を現在開発中。PC(Steam)向けに、4月19日に早期アクセス配信予定となっている(関連記事)。
【UPDATE 2024/3/12 15:26】
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