“新たな『F-ZERO』”を目指した非公式後継作『Extreme Gravity Rage』が始動。NXでの展開も視野に

Next Generation Gamesが手がける『Extreme Gravity Rage』は未来都市を舞台に浮遊した乗り物でライバルと競い合うレースゲーム。本作の注目すべき点は、『F-ZERO』シリーズへの強いリスペクトが開発の原点にあるところだ。

ドイツのベルリンに拠点を構えるNext Generation Gamesは、『Extreme Gravity Rage』のKickstarterキャンペーンを開始した。『Extreme Gravity Rage』は未来都市を舞台に、浮遊した乗り物でライバルと競い合うレースゲームだ。『FAST Racing Neo』や『redout』など、最近はインディーでもサイバーな世界観を背景とし、スピードを競うタイトルが増えつつある。本作の注目すべき点は、『F-ZERO』シリーズへの強いリスペクトが開発の原点にあるところだ。

新たな『F-ZERO』を作ろうというコンセプトで集まったスタッフは、本作を「非公式ながら後継作とも言える」と断言するほどだ。『F-ZERO GX』を目指すというだけあって、本作は疾走感がありながら滑らかなアニメーションが印象的で、ブラーなどは激しくなく良い意味で画面はさっぱりしている。興味深いのは、スピードをより感じられるように、レースの1周目はブーストが全くできないという点だ。そしてブーストを始めるとゲージはすぐに失われ、またすぐに溜まるようだ。レースゲームはプレイに慣れてくると速さを感じにくくなることもあるが、こうしてスピードにメリハリをつけることでより気持ちのよいプレイが可能となるというわけだ。動作も1080pと60fpsが守られるようで、速さと見やすさが両立された作品となりそうだ。

レースを演出するコースは、未来都市から宇宙や海底まで20以上用意される。これらのコースに加えてコースエディタも実装されるようで、オンラインでシェアできる予定だ。また対戦は、画面分割で4人プレイできるのはもちろんのこと、オンライン対戦は16人まで可能。機体も30を超えるマシンが登場するとのこと。ゲームモードはグランプリ、レース中に妨害し相手を倒すモード、最大8vs8で競うチームモードが予定されている。

Kickstarterキャンペーンの短い説明文から4度も「F-ZERO」の文字が出てくるほど強いリスペクトが込められている本作。カーブ時の独特の挙動やうねるようなコースデザインなどプレアルファ映像からもエッセンスが十分に感じられる。
Kickstarterキャンペーンの短い説明文から4度も「F-ZERO」の文字が出てくるほど強いリスペクトが込められている本作。カーブ時の独特の挙動やうねるようなコースデザインなどプレアルファ映像からもエッセンスが十分に感じられる。

対応ハードはPC/PlayStation 4/Xbox One/Wii U。開発スタッフは、『F-ZERO』を意識しているのにもかかわらず任天堂の次世代機NXがリストにないことを気にしているようで、「NXに対応したいが情報がない」と語る。しかしNXへの展開自体には意欲的のようで、情報が出揃い次第対応を始める予定だとも話している。またWii U版を購入したユーザーにはNX版を提供するといったサポートも考えられているのだという。

『Extreme Gravity Rage』を手がけるNext Generation Gamesは6人のスタッフで構成されており、詳しい経歴は不明ながら全員が業界経験者。開発をスタートさせてから4か月が経過しており、現在は本業の空いた時間に開発に勤しんでいるようだ。Kickstarterが成功すればフルタイムで専念できるようになり、リリースも2017年3月を予定できるという。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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