鉄道会社運営シム『A列車で行こう』開発元、なにげなく「A列車っぽい写真選手権」を開催すると大盛りあがりし担当者驚く。日常に“A列車要素”がたくさん潜む

アートディンクは12月26日、「A列車っぽい写真選手権」をX(Twitter)上で開催した。「A列車のゲーム画面じゃないけど、どこかA列車らしさを感じる写真」を投稿するコンテストである。多くの投稿が寄せられており、担当者も驚いているようだ。

アートディンクは12月26日、「A列車っぽい写真選手権」をX(Twitter)上で開催した。「A列車のゲーム画面じゃないけど、どこかA列車らしさを感じる写真」を投稿するコンテストである。特に賞品などは用意されていないが、かなり多くの投稿が寄せられており、担当者も驚いているようだ。


A列車で行こう』は、アートディンクが手がける都市開発鉄道会社経営シミュレーション。直接区画やエリアを設置し発展させていく他の都市開発シミュレーションゲームとは異なり、鉄道会社の運営を通じて間接的に都市を発展させていく。それゆえに、鉄道会社経営だけでなく、地域発展や開発などとも関わりが深いゲームである。『A列車で行こう はじまる観光計画』など含め近年の作品は3Dの主観視点で、自分の鉄道運営によって変わりっていく街で電車をじっくり観察することが可能。それゆえに、“風景”もまた本作を彩る要素となっている。

突如開催された「A列車っぽい写真選手権」

そんな中、アートディンク公式Xアカウントは、突如として「A列車っぽい写真選手権」を開催。参加方法は、「A列車のゲーム画面じゃないけど、どこかA列車らしさを感じる写真」と「 #A列車っぽい写真選手権 」を付けてXに投稿すること。企業公式アカウントが主催するよくあるコンテストであり、賞品もなければ強くPRしているわけでもないので、ひっそりとした内容になるかと思われた。しかしながら、毎時間、多い時は数分単位で投稿が寄せられ、大盛りあがりしているのである。12月27日18時現在も、頻繁に投稿があがっている。


どんな投稿が多いのか。何もない場所にあるまっすぐな線路や、不思議な地形の山。広々とした線路や、駅前などに1件だけ建つ寂しさもある高層ビルなど、バリエーション豊かだ。『A列車で行こう』シリーズは、何もない土地に駅と線路を敷き、電車を走らせて発展させていくことが基本。その過程で線路の敷設を失敗することもある。それゆえに、開拓しきれていない土地や、ちょっと不思議な線路など、日常で見えてくる“ちょっとミスってしまったあるいは発展途上なことが推察される線路や土地開発のいち場面”が、「A列車っぽい写真」の要素と認識されていそうだ。


なお、同コンテストにてよく言及される“豆腐”とは、ゲーム中の資材を指す。この資材を消費して建物が立てられ、エリアが発展していくので、作中とてもお世話になる。普通のコンテナのはずなのだが、ビジュアルが豆腐のように四角く白いことから、豆腐と呼ばれ親しまれている。


公式反応が面白い

このコンテストの面白いポイントは、アートディンク公式が投稿に対して切り返しを決めていることだ。それぞれの投稿に対して、ゲーム内ならどのように解決するかをまじえて面白おかしく反応している。途中で線路が途切れている写真に対しては「複数の環状線を作っている途中で資金が足りなくなった時に目撃される」と返した。


またマンションが立ちはだかって延伸が難しそうな場所については、新米社長と玄人社長のリアクションに分けて、この問題をどう対処するかのジョークを展開している。プレイヤー目線でゲームと絡めて反応する公式の切り返しも、このコンテストを盛り上げる一因だろう。


なぜコンテストを開いたのか

なぜこのようなコンテストを開いたのか。この返しをしている担当者は誰なのか。アートディンクに話を訊いた。まず、この企画を考え、回答しているのはアートディンクの広報担当だという。X上でたまに「この風景がA列車っぽい」という投稿を見かけており、募集すれば面白いものが集まるかもしれないと考えたことが、企画のきっかけだったようだ。なお、このコンテスト自体に深い意味はないとのこと。つまり新作のほのめかしなどではないということだろう。

コンテストの反響については、担当者もかなり驚いているという。そもそもとして、今回の企画は「もしかすると集まらないかもしれないけど、今後旅先などで“A列車っぽいな”と感じる機会が増えればいいな」といった温度感で始めたそうだ。当初はそれっぽい場所が思い浮かんでも写真はもっていないのではないかと考えていたようで、ユーザー側の“写真ストック”を見誤っていたとのこと。コンテストの盛り上がりは嬉しい誤算だったようだ。なお同コンテストは参加したい人が撮影に行けるように、年末年始を挟んだ1月8日まで開催されるとのこと。


また弊誌が公式コメントが面白いと伝えたところ、「面白がっていただいて幸いです」と返答しつつ、ユーザーの写真チョイスがユニークなおかげであるとして、投稿者への感謝を示していた。なおユーザー側の投稿が面白く公式が用意した投稿例よりも伸びているケースもあり「少し悔しい気持ちもある」と、楽しげにコメントを寄せた。

もともと『A列車で行こう』シリーズは歴史もありファンベースもあり、何より現実世界にも隣接したテーマのゲームである。日常のさまざまな部分に“A列車的要素”があることをユーザーらも何気なく感じており、今回のコンテストをきっかけにそうした“A列車的要素”が一気に可視化されたのかもしれない。いずれにせよ、面白い現象である。ちなみに担当者に「せっかくなのでゲームの宣伝をしてください」とお願いしたので、以下担当者コメントにて本稿を締めさせていただく。

まずは選手権にご参加のみなさま、誠にありがとうございます!
想定以上の盛り上がりで、弊社スタッフもとても楽しませていただいております。
そして選手権で「A列車」に興味を持ってくださった方は、この機会に鉄道会社の社長業をはじめていだたけたら嬉しいです。

最初はチュートリアルが充実しているNintendo Switch / Steamの「A列車で行こう ひろがる観光ライン」がオススメです!

今回の選手権投稿のように、現実の街づくりや鉄道運行とのリンクが楽しめてとってもためになるゲーム、「A列車で行こう」シリーズを今後もよろしくお願いします!

A列車で行こうポータルサイト「A列車.jp」
https://www.atrain.jp/

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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