AIのNPC行動観察ゲーム『Ememe』正式発表。AIキャラが暮らす街にて彼らの日常生活を眺め、時に行動に干渉する
国内デベロッパーのEmemeは12月14日、AI-NPC行動観察バラエティゲーム『Ememe』を正式発表した。対応プラットフォームはPC(Steam/Epic Gamesストア)で、2024年夏に無料にて早期アクセス配信予定。
『Ememe』は、自動でストーリーが生成されるAI-NPCの行動観察バラエティゲーム。舞台となる街Ememe Townには、AIキャラクターたちが暮らしており、自律的に会話、行動しながらキャラクター同士の関係性を作って、好き勝手に日常生活を送っているという。
本作にてプレイヤーは、この街に住む新たなAIキャラクターを生み出し、彼らの性格を設定できるほか、時にストーリーを操作することも可能とのこと。開発元は、ジム・キャリー氏主演の映画「トゥルーマン・ショー」のように、AIキャラクターのリアリティードラマを創作できるとアピールしている。
街で暮らすAI-NPCの会話は、LLM(大規模言語モデル)によってリアルタイムに生成され、また会話の内容に適したアニメーションも自動で出力されるという。開発元の独自技術により、会話やスケジュールに応じた適切な表情と体のアニメーションを、1000種類以上のモーションデータからAIが予測・出力するとのこと。
さらに本作では、プレイヤーが用意した3Dキャラクターモデル(VRM形式)をアップロードし、AI-NPCとして街に“召喚”することも可能。その場合でも、性格の設定や、AIによる表情アニメーション・ボディアニメーションの自動出力に対応するそうだ。
早期アクセス配信開始時点では、AI-NPCの性格設定や、AI-NPCのライフシミュレーション、AI-NPCの会話とアニメーションの自動生成、AI-NPCへの会話による行動干渉、そして3Dモデルのアップロードといった機能が実装済みの予定。そして少なくとも12か月間は早期アクセス配信を継続し、正式リリース時にはマルチプレイや、ゲームイベント開発ツールの提供、キャラクターやワールドのクリエイション、デジタルアイテム販売、Mod対応などを導入する計画だそうだ。また、街のオープンワールド化についても言及されている。
上述したゲームイベント開発ツールについては、ユーザーが自由に役をロールプレイし、人間とAIが相互に会話しながらインタラクティブに物語を進める、いわばAI-NPCがゲームマスターを務めるTRPGのようなイベントの制作を想定しているとのこと。
本作を手がける株式会社Ememeは、SCE(現SIE)やGREEにてゲーム制作に携わり、また世界初の視線追跡型VR用ヘッドセット「FOVE0」を開発したFOVEの創業者でもある小島由香氏が設立したデベロッパーだ。本作『Ememe』においては、AIと人による新たな物語プラットフォームを目指しているという。また本作では、IPキャラクターやVTuberタレントのAI-NPC化も可能だとして、コラボ企業の募集をおこなっている。
『Ememe』は、PC(Steam/Epic Gamesストア)向けに、2024年夏に早期アクセス配信予定だ。なおSteamストアページには、2024年9月25日配信予定と記載されている。早期アクセス配信期間中は無料で提供され、正式リリース時には一部のコンテンツや機能を有料化する、基本プレイ無料モデルに移行する可能性があるとのことである。