オープンフィールド箱庭クラフト街づくりパズルRPG『神箱 – Mythology of Cube –』ってどんなゲーム?とにかく要素盛り盛り完全新作
グラビティゲームアライズは、ワールドクラフトRPG『神箱 – Mythology of Cube –』を2024年にリリース予定だ。対応プラットフォームはPC(Steam)/PS4/PS5/Nintendo Switchとなっている。
『神箱 – Mythology of Cube –』は、RPGをベースにパズルと街づくりの要素を加えたワールドクラフトRPGだ。かつて5つの国が共存し繁栄していたゾフィール大陸は、「大分断」と呼ばれる現象により各国が孤立するように分断されてしまう。同時に「断片化」と呼ばれる土地に大きな立方体の穴が開くという現象が急速に拡大。その穴から出現するモンスターの影響もあり、国間の往来が困難になってしまったという。主人公は女神に選ばれた「修復者」として、断片化されてしまった世界を修復するため旅立つことになる。
世界を旅するだけでなく、空いた土地に街をクラフトして自分だけの世界を作り上げることが可能。街には利用可能な施設が配置でき、拠点としても機能するようだ。また、クラフトしたもの以外にも各地に街や村が存在し、さまざまなクエストやイベント、仲間になるキャラクターなどが用意されているという。
本作は現在、PC(Steam)/PS4/PS5にて体験版を配信中だ。本稿では体験版プレイの感想を述べていく。
世界を冒険し、修復し、作り変えていく。要素盛り盛りの個性的なゲームプレイ
本作のゲームプレイは、戦闘やクラフトをしながら冒険をする「RPG」パート、断片化した土地を修復する「パズル」パート、修復した土地や空いている土地を利用して民家や施設を配置して街をクラフトする「街づくり」パートの3つに大別できる。
RPGパートはオーソドックスなフィールド探索型かと思いきや、本作の舞台となるゾフィール大陸のワールドマップはマス目状に仕切られており、一見するとなにもない平坦なパネルが敷き詰められたような状態で開始される。これはそのマスが未探索であることを表しており、それぞれのマスに到達することで情報が開示され、どのような地形や建造物が存在しているのかを知ることができるようになっているのだ。はじめは少々寂しく感じるものの、探索意欲をかきたてられる面白い仕掛けであると感じた。
ちなみに、パネルにはそれぞれ町や山といった絵柄が描かれており、ある程度は何があるのかわかるようになっているため、まったくのノーヒントというわけではない。遠征の際は指標にするといいだろう。
戦闘システムは、ターンごとに一定時間オートで戦闘する味方キャラクターに対して4種類のマナと呼ばれるポイントを割り振り、スキルの発動を制御するという方式になっている。主人公はあくまで「修復者」という立場であり、戦闘能力はない。そのぶん、マナを操る力を用いて仲間の支援をするというわけだ。スキルは攻撃や回復などキャラクターごとに差別化されており、どのスキルが必要になるかを先読みすることでバトルが有利になる戦略性の高いシステムとなっている。オートといっても前述のとおり一定時間ごとにターン分けされているため、操作は忙しくない。
土地を修復するために必要となるパズルはいわゆる2マッチ形式で、ピースの色ごとに指定数を消すことでクリアとなる。土地に立方体の穴が開く「断片化」を立方体状のマナを操りパズルで修復するというのは説得力があり、シンプルながら爽快感があった。また、戦闘時に用いるマナもパズルで入手可能だ。
街づくりは自由度が高く、空いた土地さえあれば小さな村から大きな街までクラフトが可能なようだ。本作はマップの移動で食料(パン)を消費、無くなると街に戻されてしまうというペナルティが存在し、行動範囲に実質的な制限が設けられている。拠点を作成することで食料の補充が可能なので、冒険の先々で街をつくり、行動範囲を少しずつ広げていくというのが基本的なゲームサイクルになるのだろう。街は宿屋やパン屋などの施設を配置することで冒険の拠点としても利用できるほか、時間経過でクラフト素材を産出するといったメリットがあるため、積極的にクラフトしてみるのがよさそうだ。さらに、クラフトした街と街がつながると物流が発生し、販売するアイテムが変化するといった要素もあるとのことだ。
フリーフラグシナリオによってストーリー進行も自由。十人十色の冒険が楽しめる
体験版プレイの範囲ではようやく街をクラフトしたというところで終わってしまったものの、これから好きなように街を作りながら冒険していくのだという期待を感じさせる内容だった。ストーリーも一本道でなく「世界を修復する」という目的に沿ってある程度自由に進行できるとのこと。街だけでなく武器や料理といったクラフト要素も充実しているようなので、プレイヤーによって思い思いの楽しみ方ができる、懐の広い作品に仕上がるのではないだろうか。一通りプレイし終えたら、自分の世界と他プレイヤーの世界を比べてみるのも面白そうである。
以上が体験版プレイの感想である。どんなゲームかおわかりいただけただろうか。多くの要素を詰め込んだ意欲作であり、それぞれの要素が世界観を支えながら、自由度の高いユニークなゲームサイクルを生み出している。世界を自分の好きなように作り変えながら冒険していく楽しさは、本作ならではの体験だろう。
気になった点としては、ゲームを構成する要素のうち、ゲームサイクルとして結びつきの強い「RPG(探索)」と「街づくり」に対し、パズルパートがやや浮いてしまっているような印象を受けた。立方体の穴が開いてしまった土地をパズルで修復するという流れには説得力があるものの、ゲームサイクルの一環というよりかはミニゲームを遊んでいるような感覚が近かったかもしれない。製品版でのパズル要素の拡充に期待したいところだ。
『神箱 – Mythology of Cube –』は、PC(Steam)/PS4/PS5/Nintendo Switch向けに現在開発中だ。