セガ、強盗チーム対戦脱出シューター『HYENAS』の開発を中止。欧州拠点の収益改善のため、一部未発表タイトルも開発中止に
セガサミーホールディングスは9月28日、同日開催の取締役会において、主に欧州拠点におけるコンシューマ分野(エンタテインメントコンテンツ事業)の構造改革の実施を決定したと報告。このなかで、『HYENAS』および一部未発表タイトルの開発を中止すると発表した。
『HYENAS』は、セガ傘下のCreative Assemblyが手がけるオンラインマルチプレイシューターだ。プレイヤーは、保有アビリティなどの異なるキャラクターたちから選んで3人チームを組み、最大5チームが参戦して、無重力エリアも存在する宇宙船内を舞台に対戦。試合では、宇宙船に積まれた物資を盗むことが目標となっており、警備に当たるCPU治安部隊も目を光らせているなか、保管庫を破り規定量を盗んだら、ほかのチームを出し抜いて宇宙船から脱出することを目指す。
本作は2022年6月にPC(Steam)向けに発表され、これまでクローズドベータテストが続けられてきた。ちょうど先日9月15日には、直近のベータテストを終えたばかりだったが、今回開発中止が決定した。本稿執筆時点では、本作の公式SNSなどではまだ開発中止の事実は発表されておらず、突然の出来事であったことがうかがえる。
セガサミーホールディングスによると、同グループはコンシューマ分野を成長領域のひとつとして定め、既存IPのグローバルブランド化などを進めることにより、近年急速に収益拡大を実現してきたとのこと。一方で、コロナ禍における巣ごもり需要からの反動減やインフレなどによる経済環境の悪化など、特に欧州地域におけるコンシューマ分野を取り巻く事業環境の変化が急速に進み、収益性が悪化傾向にあるという。
そこで、この環境変化に早急に適応し収益改善を実現すべく、欧州拠点の構造改革の実施を決定。欧州各拠点開発のタイトルポートフォリオの見直しを実施し、『HYENAS』および一部未発表タイトルの開発を中止するとした。また、本作の開発元であり『Total War』シリーズなどを手がけていることでも知られるCreative Assemblyを中心に、欧州地域の複数のグループ会社における各種固定費の削減も実施するとのことだ。