Nintendo Switchオープンワールド夏休みゲーム『なつもん』品切れ続出&再入荷で好調模様。好評の理由を販売元に訊いた
『なつもん! 20世紀の夏休み』(以下、なつもん)のセールスが好調のようだ。一部店舗では品切れを起こしており、再入荷が進んでいる。本作を遊んだユーザーのクチコミが広がり、売り上げにつながっていると見られる。
『なつもん! 20世紀の夏休み』は、オープンワールドアクションアドベンチャーゲームだ。対応プラットフォームはNintendo Switch。主人公は、10歳の少年サトル。サーカス団の団長のひとり息子として、紆余曲折ありながら、海の見える緑豊かな田舎町であるよもぎ町にやってきた。夏休みという限られた期間で、この場所でさまざまな冒険や出会いを体験することとなる。
パブリッシャーはスパイク・チュンソフトが担当。『ぼくのなつやすみ』シリーズを手がけてきたミレニアムキッチンの綾部和氏が、原作・脚本・ゲームデザインを担当。また開発には『牧場物語』生みの親である和田康宏氏が率いるトイボックスが参加している。
ゲームプレイとしては、三人称視点でサトルを操作。どこへ行ってなにをするかは、プレイヤーの自由だ。拠点となる明日葉荘周辺で虫をとってもいいし、近隣の町であるよもぎ町に出かけて出会いを求めてるのもいいだろう。近くにある山に登っても、海で魚を釣っても、あるいは隣町に遠征するのもいい。
本作の魅力は、生活シムシステムとオープンワールドを組み合わせている点。ゲーム内で常に時間が経過しており、それにあわせて人々も生活している。膨大なテキストと共に、さまざまな出会いや別れの一期一会を体験。さらにフィールドマップはほぼオープンワールド(一部エリアのみ短い入室ロードあり)となっている。サトルは建物によじのぼることができるなど、マップは立体感もある。民家の屋根の上を渡るといったこともできるわけだ。
また本作では、リワードも充実。シールと呼ばれるスタミナシステムが存在しており、アイテム収集やイベント遭遇によってシールが溜まり、スタミナ上限が解放されていく。行動にあわせてサトルも成長していき、スタミナが高まり、行動範囲も広がっていく。探索し甲斐もあるというわけだ。20世紀のどこか懐かしい生活感のある世界を舞台に、広いフィールドで冒険を楽しめるという欲張りな内容が、絶妙な楽しさとして仕上げられており、高い評価を受けているのである。
同作の売り上げは、あくまで確認できる範囲では、ファミ通の8月7日~8月13日集計の週販ランキングでは6155本販売。累計として3万7594本を売り上げていることが報じられている。あくまでパッケージ版に限ってではあるが、発売から2週間が経過してもじわじわ売れているようだ。そして記事執筆時点では、一部小売店では本作のパッケージ版が在庫切れになっている(Joshin webショップ)。Amazon.co.jpでもパッケージ版は在庫切れを起こしていたようで、前述の綾部和氏は8月21日に、「やっと在庫が復活したようです」とコメント。各所で品切れが発生し、入荷対応がなされているのだろう。
好調の背景はどこにあるのか。スパイク・チュンソフトの広報に話を聞いた。まず実際に『なつもん』の反響があるのかについて訊いた。広報は「多くの反響がありました」とコメント。SNSでユーザーが投稿したゲームプレイが、話題を集めている印象だと補足した。さらには「どういう点が好評を博しているか」と訊いたところ、「SNSとアンケート回答を見るに、オープンワールドを自由に駆け回れる点や夏を感じられる雰囲気が好評でした」と答えてくれた。
さらに、ユーザーの年齢層についても訊いてみた。本作は「小学生が主人公」である一方で「20世紀が舞台」ということで、ターゲット層が幅広い。どういった層に好まれているのか気になるところ。購入ユーザーの年齢層は、もっとも多かったのは30~34歳の年齢層で、次点では25~29歳の年齢層だったとのこと。「20世紀の夏休み」というキャッチコピーに馴染み深さを感じるユーザーが、そういった年代だったのだろう。
と、いうことで、ユーザーのSNS投稿をきっかけに注目が集まり、オープンワールド要素が好評を博したことで、売れ行きが好調になっているのだろう。ただし本作の魅力は多彩にある。郊外の街独特の空気感、茶目っ気のある登場人物、多彩なテキストなど。夏休みに郊外で過ごすという体験を、自由な冒険を伴って楽しめる希少なゲームとして、ユーザーに愛されているのかもしれない。
『なつもん! 20世紀の夏休み』は、Nintendo Switch向けに発売中だ。
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