『GTAV』『RDR2』非公式マルチ化Mod開発チームがRockstar Gamesに加入。“ロールプレイサーバー”活動に公式サポート実現へ

Rockstar Gamesは8月11日、「Cfx.re」が同スタジオに加入したことを発表した。Cfx.reは『GTAV』『RDR2』向けの非公式Mod導入ツールFiveMおよびRedMを開発しているチームだ。

Rockstar Gamesは8月11日、Mod開発チーム「Cfx.re」が同スタジオに加入したことを発表した。Cfx.reは『グランド・セフト・オートV』(以下、GTAV)などに向けた非公式マルチプレイ化Modを手がけており、Rockstar Gamesへの加入により今後はそうしたModへの公式サポートが実現すると見られる。


Cfx.reは『GTAV』および『レッド・デッド・リデンプション2』(以下、RDR2)の非公式Mod開発を手がけるコミュニティ・チームだ。同チームはこれまでに『GTAV』『RDR2』向けの非公式Mod導入ツールFiveMおよびRedMを開発。両ツールを使うことで、『GTAV』および『RDR2』上でプレイヤーがModを導入した状態でコミュニティ・サーバーを立てて、マルチプレイが可能となる。ユーザーが好みのModを導入できるため、両作をベースにしたオンラインマルチプレイ作品『GTAオンライン』、『レッド・デッド・オンライン』とはひと味違う楽しみ方ができるわけだ。

今回、Cfx.reがRockstar Gamesに加入したことが発表された。Rockstar Games側からの声明のなかで、同社は過去数年にわたりFiveMを利用したMod開発コミュニティを見守ってきたとし、“ロールプレイサーバー”が興味の対象にあったと語った。ロールプレイサーバーとは、FiveMによるサーバーの中でも、特に街の施設やイベントがすべてプレイヤーによって運営され、参加者たちが実際に生活しているかのような役割を演じているサーバーのこと。たとえば参加者たちが警官や消防士といった職業になりきるなどの遊びが講じられている。

Rockstar Gamesはロールプレイサーバーのコミュニティの活動を、『GTAV』と『RDR2』の新たな可能性を広げてきたと評価。Cfx.reとの提携によってコミュニティの助けになるような新しいアプローチを見つけ、コミュニティ内の開発者やプレイヤーに提供できるサービスの改善をサポートしていくそうだ。


なおRockstar Gamesは、かつてFiveMに対し厳しい対応をとったこともある。FiveMに対しては2015年、同ツール開発者の自宅へと私立探偵を派遣して、Modの公開停止を要求したことが報じられていたのだ(Ars Technica)。FiveMは非公式にオンラインマルチプレイを可能にするため、『GTAオンライン』と競合する側面もある。そうした点から公式はFiveMの存在に懸念を感じていた可能性はありそうだ。一方FiveM側はそうした要求を受け入れなかったようだ。

*当時FiveM開発者が、私立探偵に来訪されたことを報告したReddit上のFiveMコミュニティへの投稿(本文削除済み)


そして最近になって、Rockstar Gamesは一転してFiveM側に歩み寄りを見せつつあった。先述のとおり『GTAオンライン』とは違った形で親しまれてきた側面もあるからかもしれない。Rockstar Games公式サポートページ内に2022年11月に公開されたQ&Aでは、ロールプレイサーバーを支持する姿勢を明確化していたこともある。今回発表されたFiveM開発元であるCfx.reの加入により、Rockstar Gamesはロールプレイサーバーを公式にサポートする構えを見せたといえるだろう。Rockstar GamesはCfx.re加入後の動向について近日中に発表をおこなうとしている。Cfx.reにより今後どのような展開がおこなわれるのか。続報に期待しよう。

Toru Ishikawa
Toru Ishikawa

雑食ゲーマー、好きな言葉は「Random loot」と「Permadeath」です。

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