『鉄拳8』新規キャラ「アズセナ」と「レイヴン」の参戦決定。“ゲスト乱入”発生で発表が大いに盛り上がる
バンダイナムコエンターテインメントは8月7日、対戦格闘ゲーム『鉄拳8』の参戦キャラクターとして「レイヴン」と「アズセナ」を発表した。アズセナは完全新規キャラクターとなる。
『鉄拳8』は、3D対戦格闘ゲーム『鉄拳』シリーズの最新作だ。バトルコンセプトには「アグレッシブ」さが挙げられており、プレイヤー自身が能動的に駆け引きを仕掛け、攻めの起点とするためのシステム「ヒートシステム」など、新たなシステムが導入されている。
今回参戦が明らかになったレイヴンは、『鉄拳5』から登場したキャラクターで、『鉄拳タッグトーナメント2』以来の参戦となる。彼は国際協力連合軍・独立部隊に所属するエージェントであり、忍術を用いながら諜報活動に従事してきたという背景がある。本シリーズでの格闘スタイルも忍術が中心となり、トレイラーでは影分身を使った立ち回りなどが確認できる。
本作のディレクター池田幸平氏によると、レイヴンは特殊な構えの“ソウルフィールド”を使うことができ、中距離からの奇襲に、分身や瞬間移動を用いた攻撃など、変幻自在の攻めが可能だという。さらに、ヒート状態になると影分身を使った攻撃がさらに強化され、隙のない波状攻撃を仕掛けられるそうだ。また、本作ではストーリーにもより深く関わるとのこと。
一方のアズセナ(アズセナ・ミラグロス・オルティス・カスティーリョ)は、ペルー出身の完全新規キャラクターだ。標高2000m超えの高地にあるペルーのコーヒー農園“オルティス・ファーム”の一人娘として生まれ、「世界一のコーヒー農家になる」という夢に挑戦。やがて、世界的な品評会にて最高評価を得ることになるが、世界一を目指すには堅実さだけでなく冒険も必要だとし、高地で鍛えた自慢の身体能力を武器に、自らを広告塔としてアメリカの総合格闘技界に殴り込み。1年目にしてチャンピオンの座に上り詰めた。
アズセナは総合格闘技(ストライカー)を格闘スタイルのベースにし、型にはまらないトリッキーな動きが特徴。池田氏によると、相手を挑発するようなポーズをとる“リベルタドール”は彼女を象徴するアクションとのことで、トレイラーでも随所にそのアクションが見られる。リベルタドールは、特殊な構えに移行しガードができなくなる代わりに、相手の上段攻撃と下段攻撃を自動的に見切ってかわす技だという。そしてヒート状態になるとリベルタドールがさらにパワーアップし、攻撃の回避後は自動的に反撃を繰り出すそうだ。
また、コーヒーの宣伝のために大会に参加しているため、随所でカメラを意識したアクションをとるのも彼女の特徴とのこと。ペルーを出身地に選んだのは、この地にはインカ伝統の古武術であるルミ・マキ(ボクシングをメインとしたマーシャルアーツ)があったからと説明された(PlayStation.Blog)。
ちなみに余談であるが、今回発表されたレイヴンとアズセナの参戦に関しては、事前に情報がリークしていた。Bandai Namco Europeの公式サイトに、予定より早く情報が公開されてしまったのだ。発表のために格闘ゲームイベントEVO 2023を訪れていたエグゼグティブプロデューサー/ディレクターの原田勝弘氏は、自身のYouTubeチャンネル「はらだのばぁー」を通じてこのリークについて言及。笑顔で話しながらも「いま俺、めっちゃ怒ってる」「リークした人たちはバグだと言い張ってるけど、そんなわけがない」と述べている。それでも原田氏は「盛り上げようと頑張っている」とし、その後ステージでの発表に臨んだ。
そのステージはというと、かつてカプコンで『ストリートファイター』シリーズを手がけ、現在はラセングル代表取締役社長を務める小野義徳氏が突然乱入。原田氏に対し「俺たちには宿題があるだろう」と述べ、原田氏が「宿題って何のことだ」と返す。すると小野氏が「鉄拳…クロス……」と言ったところで、原田氏から「出て行け!」とステージから追い出されてしまった。なお小野氏が現地を訪れていることは、数日前に原田氏から明かされていた。
おそらく小野氏は『鉄拳 X ストリートファイター』のことを追求しようとしたようだ。両格闘ゲームのコラボ決定により、カプコンからは『ストリートファイター X 鉄拳』が2012年に発売されたが、『鉄拳 X ストリートファイター』はいまだ発売されていない。同作について原田氏は以前、30%ほどまで開発が進んでいたものの、保留状態にあると述べていた。こうした背景をファンも知っているのだろう。EVO 2023の会場は大いに盛り上がることとなった。
『鉄拳8』は、PC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けに開発中。発売時期は未定である。