Steamクライアントが大規模アップデート。メモ機能の追加などゲーム内オーバーレイが刷新、使いやすさの改善もさまざま実施
Valveは6月15日、Steamデスクトップクライアントのアップデートを配信開始した。今年4月よりベータテストがおこなわれていた、新機能の追加や改善などが正式実装されている。
今回のアップデートでは、まずSteam全体の分かりやすさと使いやすさの改善が実施。ダイアログやメニュー、フォント、色の見直しがおこなわれた。また、メインのSteamヘッダーとフッター、設定、スクリーンショットマネージャーなど、さまざまな場所でのUIも更新されている。
Steamの通知機能については、緑色のベルが、本当に新しい情報が入ってきた場合にのみ点灯するかたちに変更。トレイビューでの表示も新しい通知に限定されており、「すべて表示」ページを開くと通知の履歴を確認できる。なお、通知専用の設定が新たに追加されており、表示する通知や、通知の表示場所を管理可能だ。こうした改善により、通知がより分かりやすく、より便利になったとされている。
ゲーム中に「Shift+Tab」キー入力でアクセスできるゲーム内オーバーレイでは、インターフェイスの刷新をはじめとした全面的な見直しが実施。新たにツールバーが追加されており、フレンドとのチャットや、実績の進行状況、ガイド、掲示板、ブラウザーなど、ゲーム中に必要となる情報にアクセスできる。また、デフォルトで表示させたいコンテンツはユーザーによる設定が可能で、設定はゲームごとに保存される。
ゲーム内オーバーレイの新機能としては、「メモ機能」が登場した。プレイしているゲームについて、何でも自由にメモしておける。リッチテキスト形式が採用され、画像を貼り付けることも可能。各ゲームには複数のメモを作成でき、ゲームごとに保存され、そしてSteam Deckを含むログインしているユーザーのほかのすべてのPCに同期される仕組みだ。なお作成したメモには、ゲーム内だけでなくゲーム詳細ページからもアクセス可能とのこと。
ゲーム内オーバーレイに関しては、ゲーム画面上にウインドウのコンテンツをピン留めできる機能も追加された。たとえば上述したメモや、ガイド、掲示板、実績、Webブラウザをピン留めでき、ウィンドウの不透明度の調整も可能。攻略情報のメモを確認しながら、あるいは映画を見ながらゲームを楽しむなどといった使い方ができる。
さらに、ゲーム内オーバーレイには「ゲーム概要パネル」も追加。特定のプレイしたゲームについて、実績の進行状況や、同じゲームをプレイ中のフレンド、トップガイド、ニュースなどをまとめて確認できる。
このほか、ブラウザや実績、スクリーンショットマネージャーのウインドウも刷新(オーバーレイとデスクトップクライアントの両方)。ゲームパッド接続時には、コントローラ設定がオーバーレイの一部として利用可能になっている。さらにMac/Linuxでは、Windowsと同様にハードウェアアクセラレーションが可能となり、アニメーションやスクロールがサクサク動くようになり、UIのレスポンスが向上したとのこと。
またユーザーから見えない部分では、SteamデスクトップクライアントやBig Pictureモード、Steam Deckの間でのコードベースを共用するかたちに変更。これによって、新機能の実装とイテレーションをより迅速におこなえるようになったそうで、たとえばSteam Deck向けにもメモ機能を含む多くの機能が同時に実装されることとなった。