赤字報告がされていたスマホゲーム『サクライグノラムス』サービス終了へ。想定を大きく下回る売上で費用回収見込みなし
マーベラスは3月31日、スマートフォン向けシミュレーションRPG『サクライグノラムス』について、サービスの終了を決定したと発表した。ユーザーには全額返金対応がおこなわれるそうで、詳細なスケジュールについては今後発表される。
『サクライグノラムス』は、基本プレイ無料のシミュレーションRPGだ。2016年にリリースされたスマートフォン向けRPG『シノビナイトメア』の後継作で、同作の世界観やキャラクターを活かして開発された。前作および『ファントムオブキル』や『誰ガ為のアルケミスト』などを手がけた今泉潤氏がプロデューサーを務め、世界観設定・シナリオ協力には『サクラ大戦』などで知られる広井王子氏が担当している。
本作には、ユニットの属性×スキルカスタマイズで無限の組み合わせが可能な独自の育成システムが用意。キャラクターを編成して挑むシミュレーションバトルでは、各キャラクターによって異なる属性や武器種の相性、実行したコマンドの内容に応じて入れ替わる行動順など、高い戦略性を備えたシステムが用意されている。
本作は、今年2月27日にiOS/Android向けに基本プレイ無料にて配信開始。その配信直前の段階で、公式Twitterアカウントの登録者数が15万人を突破したと発表されるなど注目度の高さがうかがえたが、ローンチからわずか1か月ほどが経った本日、サービス終了の決定が伝えられた。サービスを終了する理由については、「諸般の事情によりお客様にご満足いただけるサービスの提供が困難であるという結論に至りましたため」とだけ説明されている。
ちなみにマーベラスは3月24日に、営業損失の計上および通期連結業績予想の修正を発表。このなかでは、『サクライグノラムス』の売上高が想定を大きく下回る推移となっており、タイトル運営の赤字に加えて、将来における初期開発費用の回収可能性も非常に低いと判断せざるを得ない状況であると報告。そして、これ以上の赤字継続を早期に止めるため、今後のサービス継続について早期に検討するなどとしていた。これが今回発表されたサービス終了の背景にあるようだ。
今回のサービス終了告知にあたり、本作のプロデューサー今泉潤氏のメッセージが公開されている。本作の開発期間は約3年に及んでいたそうで、同氏や制作チームとしては面白いゲームになるとの手応えもあり、ユーザーからの指摘を受け改修を急いで進めようとしていたが、その時間をもらうことはできなかったという。同氏は、自身の力不足であるとしてファンに謝罪している。そして、“早すぎるサービスの終了”となったことから、マーベラスが全額返金対応を決めたとのことだ。
『サクライグノラムス』のサービス終了に向けた詳細なスケジュールは今後告知されるが、有償アイテムである幽晶石の販売はすでに停止されている。そして、幽晶石の消費の如何にかかわらず、マーベラスは本作にてユーザーが支払った金額を全額返金対応する予定とのこと。なお返金対応や各種問い合わせにおいては、データ確認による本人確認がおこなわれるため、本作アプリの削除や再インストールは控えるよう呼びかけられている。詳しくは公式サイトを確認してほしい。