PS5『FF16』吉田Pが実機プレイ公開&ファン懸念にアンサー。アクションバトルの詳細や広大なフィールド映像などお披露目
スクウェア・エニックスは3月26日、アメリカ・ボストンで開催されたイベント「PAX East 2023」にて、『ファイナルファンタジーXVI』(以下、FF16)のパネルディスカッションを実施。本作のプロデューサーを務める吉田直樹氏と、ローカライズディレクターのMichael Christopher Koji Fox氏が登壇し、本作の情報を公開した。
『FF16』は、『ファイナルファンタジー』シリーズのナンバリング最新作。本作の舞台となるヴァリスゼアと呼ばれる世界では、エーテルを生み出す源マザークリスタルを巡って戦乱が起こり、強大な召喚獣の力を宿すドミナントたちが、戦いへと駆り出されていった。そして主人公であるロザリア公国の第一王子クライヴ・ロズフィールドもまた、戦乱の渦に巻き込まれていく。
今回実施されたパネルディスカッションは、これまでに公開されている『FF16』の情報のおさらいが中心となった。一方そのなかでは、吉田氏によるPS5実機プレイを含む新規映像の公開や、今年1月におこなわれたメディアツアーにて聞かれた意見に対するフォローアップもおこなわれている。
上に掲載したパネルディスカッション映像の前半では、本作の物語や登場人物、バトルシステムなどの概要があらためて紹介。本作の特徴のひとつでもある召喚獣同士の戦いについて吉田氏は、シチュエーションやシステムについてさまざまなゲームデザインを用意しており、かなりユニークなゲーム体験になっているとアピールした。また映像の24分42秒辺りからは、主人公クライヴの召喚獣アクションをまとめた動画が披露されている。
そしてパネルディスカッションの後半では、先のメディアツアーを通じて公開された本作の情報に対するいくつかの意見について、補足的な情報が公開された。まず紹介されたのは、「暗い場面ばかりで、マップも狭いのではないか」という意見。上に掲載したのは英国PlayStation公式が当時公開したゲームプレイ映像で、確かに指摘されたような内容にもみえる。
この指摘について吉田氏は、「当然、暗いだけでも狭いだけでもないです」と説明。本作のリアルタイムバトルをメディアに体験してもらうために、一番最初に完成したステージを選んだところ、たまたま夜だったという。なおステージは、広さも構造も異なる多数のバリエーションが用意されているそうだ。また、“ステージ”とはダンジョンのような場所を指しており、“フィールド”はもっと広大。パネルディスカッション映像の30分18秒辺りからは、PS5実機にてフィールドを探索する様子が披露された。
またその実機プレイのなかでは、ワールドマップを開いて別のロケーションへファストトラベルしたり、クライヴ(青年期)のアジトのような場所を訪れたりといった様子も公開。そのアジトでは、ショップで武器やアイテムを購入したり、鍛冶屋で武器を強化したり、サイドクエストを請け負ったりなどが可能。さらに、戦闘トレーニングをしたり、世界中のプレイヤーとバトルのスコアを競うアーケードモードに挑戦したり、クリア済みのステージに再挑戦したりといったことも、アジトにておこなえるそうだ。
先のメディアツアーでの情報公開時には、ボスバトルにおいて「QTEを含むカットシーンが存在する」と報じられていた。QTE(Quick Time Event)とは、表示されたボタンなどを制限時間内に入力することが求められるシステムのことで、近年はどちらかというと退屈な要素として捉えられる向きがある。そして吉田氏は指摘されたカットシーンについて、「これってQTEなのかといわれると、答えはNOです」と述べた。
本作のボスバトルには多数のフェーズがあり、敵のHPをある程度削るたびに次のバトルフェーズへと進んでいく。そしてフェーズが変わると、ステージが破壊されたりボスが変身したりなど、さまざまなシチュエーションの変化が発生。それをプレイヤーがただ見ているだけでなく、クライヴの格好良く攻撃したり回避したりといったアクションに関与し、あくまで臨場感を出すための演出として、操作入力を伴うイベントを用意したそうだ。
なお、入力は攻撃・回避・ボタン連打の3つのみで、失敗してゲームオーバーになることはない。入力受付時間もかなり長く取られているそうで、吉田氏は「そもそもクイックですらない」「まあまあそれくらいのものだと思って、あまり気にせずにいてくれると助かります」と述べていた。
パネルディスカッションではその後、本作のサポートアクセサリの効果について実機プレイにて紹介。サポートアクセサリはすでに情報公開されている要素ではあるが、「アクションは嫌、(旧来の)ターン制バトルが良かった」という意見が寄せられていたそうで、サポートアクセサリを活用することで、アクションが苦手な人を含め誰もが本作を楽しめるとアピールされた。
サポートアクセサリにはさまざまな効果のものが存在し、今回は敵を自動的に攻撃するものと、敵が攻撃してきた際に時間がスローになるものが披露された。本作には一般的な難易度設定オプションは用意されず、サポートアクセサリの使用やその組み合わせによって、自分に合った難易度に調整することとなる。
そしてパネルディスカッションの最後では、召喚獣同士のバトルについて紹介。メディアツアー時にはイフリートとガルーダの戦いが公開されたが、それはゲーム序盤であることもあって簡単な作りになっていたという(英国PlayStation公式の映像における14分10秒辺りに該当シーンあり)。実際には、バトルのテーマごとにゲームシステムから異なるそうで、パネルディスカッション映像の1時間27秒辺りから、そうした要素をまとめた映像が披露された。
『ファイナルファンタジーXVI』は、PS5向けに6月22日発売予定。今回吉田氏は、「今のところ、ほぼほぼ予定どおり発売しますので、ぜひ予約をしてお待ちください」「No delay(延期はしない)」とコメント。また、本作のRPG要素ややり込み要素については、4月以降に情報公開していくとのことである。