忍者ステルスアクション『Aragami』シリーズ開発元がスタジオ閉鎖へ。新規IP開発に挑むも資金繰りが悪化
デベロッパーのLince Worksは3月7日、今年4月をもって新規プロジェクトの開発を中止し、スタジオを閉鎖する予定であることを明らかにした。同スタジオは、ステルスアクションゲーム『Aragami』シリーズの開発元として知られている。
Lince Worksは、2014年に設立されたスペイン・バルセロナに拠点を置くインディースタジオだ。設立後すぐに『Twin Souls: The Path of Shadows』という作品にてKickstarterでの資金調達に挑むも、目標額には到達できず。しかし、その同作は『Aragami』として生まれ変わり、2016年にリリースを果たした。
『Aragami』は、『天誅』シリーズや『Mark of the Ninja』『ディスオナード』といった作品から影響を受けるステルスアクションゲーム。日本風の世界観が採用され、忍者のような主人公は影を操る能力をもち、光と闇を利用したスピーディな暗殺や、ポイントを割り振り能力を開放していくスキルシステムなどが特徴である。そして2021年には続編『Aragami 2(荒神2)』が発売。バトルシステムの拡充や、最大3人での協力プレイ要素などが導入された。
『Aragami』シリーズは、プレイヤーからおおむね高い評価を獲得。そしてLince Worksは、また新たなIPを生み出すべく取り組んでいたそうだ。ただ同スタジオは、この数年は経済的に難しい状況にあったという。そして、新規IP開発自体には手応えを感じていたものの、これ以上開発を続けることができない状況にまで陥ってしまい、今回のスタジオ閉鎖の決断に至ったとのこと。
同スタジオは、新作を完成させられなかった悔しさを滲ませながらも、これまでサポートしてくれたファンに対し感謝の言葉を述べた。また、同スタジオのスタッフの仕事ぶりを讃え、彼らの転職先を探すためのサポートをおこなっていくとした。
なお開発元は閉鎖するものの、『Aragami』および『Aragami 2(荒神2)』は、今後もすべてのプラットフォームにて販売が継続されるそうだ。オンライン協力プレイも引き続きプレイ可能であるとのこと。『Aragami 2(荒神2)』の Nintendo Switch/PS4/PS5 版については、日本ではアークシステムワークスから販売されているが、おそらくこちらも同社に国内販売権がある限り販売が継続されるものと思われる。
『Aragami』は、PC(Steam/GOG.com)/Nintendo Switch/PS4/Xbox One向けに配信中。そして『Aragami 2(荒神2)』は、PC(Steam/Epic Gamesストア/GOG.com)/Nintendo Switch/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに配信中だ。Xbox Game Pass向けにも提供されている。