見知らぬ惑星で今日を生きろ。美しさと孤独が交わるサバイバルサンドボックス『EarthFall』
発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第246回目は『EarthFall』をピックアップする。
『EarthFall』はJust a Pixelが開発するサンドボックス型サバイバルゲーム。本作の舞台となるのは地球に似た惑星。ゲームが始まるとプレイヤーは何も持たない状態で、ランダムに選ばれた場所にスポーンする。探検を始める前にまず、装備や衣服、武器を作るための材料を集めなければならない。あるいは資源を収集しキャンプ場を建設して何者かの侵入を防ぎ、身の安全を保たなくてはならない。しかし襲撃に備えるだけではなく、冬の寒さに耐えるための物品や、夏の暑さを克服するために十分な水を見つけなければ生き残ることはできないのだ。また本作はマルチプレイも可能となっている。PvPも搭載されているので、協力して生き残るもよし、どちらが長く生き残れるか競い合うもよしの一作だ。
ゲームシステムとしては典型的なサンドボックスゲームとなっているが、注目したいのがそのグラフィック。フィールドはブロック状になっていて、プレイヤーがキャラクターを操作すると、そのブロックがせり上がってきてマップ上を移動できる。グラフィックはおもちゃを意識したポップなものとなっており、ミニチュアの世界を探検しているような気分になるだろう。雪の降るアニメーションや火を焚くエフェクトはどこかキュートさと孤独感が入り交じるものとなっている。
Just a Pixelはイギリスに拠点を構えるスタジオだ。2012年にRoberta Saliani氏とDanny Goodayle氏によって設立された。二人はフルタイムで働きながらゲーム開発をしようとしていたがなかなか時間がとれず、進捗は芳しくなかった。しかしSaliani氏が働いていたスタジオPlayFishが閉鎖したことをきっかけにGoodayle氏も退職、本格的にJust a Pixelとしてゲーム開発を進めていくことになった。そうして完成したのが彼らの第一作目となる『Light』だった。『Light』は見下ろし視点で青い四角を操作して、赤い敵に見つからないようにステルスしながらハッキングをすることを目的としたパズルゲームだ。こちらはPC向けにSteamにて2014年7月にリリースされている。
『EarthFall』は当初、30日間でゲームを開発するという企画から生まれた作品だ。Goodayle氏はゲーム開発にかかる長いサイクルに疲弊を感じており、思い切って時間を限定してUnityを用いて、探索とサイバイバルに焦点をあてたゲームを目指して取り組みを始めた。Twitchなどでコミュニティのフィードバックを受けながら進行し、30日が終わった現在でも開発が続けられている。
『EarthFall』はすでにitch.ioにてPC/Mac向けに配信中。価格は5ポンド。現段階ではまだアーリーアクセスに近い状態のようだが、精力的にアップデートが続けられているようだ。