小さな娘と老人が森林を散策するADV『Lieve Oma』は開発者から親愛なるおばあちゃんへのラブレター

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第242回目は『Lieve Oma』をピックアップする。

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第242回目は『Lieve Oma』をピックアップする。

 

”祖母はおそらく、私の人生の中で最も大切な人だと思う。”

 

そう話すのは、インディーゲーム開発者であるFlorian Veltman氏。幼き日から祖母と長い時間を過ごし、その中でたくさんの安息と愛を受け取ってきたと続ける。しかし氏は数か月前に祖母の身に起こった小さな事故から、彼女とともに過ごす時間が永遠ではないことを悟る。そこで祖母を大切にする決意を形にするため、そして”おばあちゃん”への愛情を表現するために、『Lieve Oma』の開発を始めたという。

 

 

『Lieve Oma』は小さな娘とその祖母が森を散歩するアドベンチャーゲーム。タイトルである『Lieve Oma』は、オランダ語で「親愛なる祖母へ」という意味を持つ。とある出来事のせいで塞ぎこむ孫の気の紛らわせるために、祖母が夕焼け色にした紅葉した森林へ連れてきたというのが本作のあらすじだ。プレイヤーはキノコを探す娘を操作し、祖母とともに森の奥深くを探索していく。

舞台に森林を選んだのは、Veltman氏がもっとも祖母を身近に感じられる場所だからであるという。鮮やかで温かい橙色(だいだいいろ)を基調としたグラフィックは、“甘酸っぱさ”を表現するためにデザインしたと氏は語る。映像のどこかそっけない女の子と孫を気遣う祖母の会話からは、ふたりの微妙な心の距離が感じられるものとなっている。

Florian Veltman氏は数々の個性的な作品を手がけてきたクリエイター。前作である『ENDLESS EXPRESS』も、見知らぬ駅のホームから電車を乗り継ぎ、さまざまな土地へおもむくという一癖のある作品だ。同作はこちらから無料でプレイできる。これまでの作品でも才能を発揮してきた氏のアートだが、『Lieve Oma』も氏の描く独特の世界が堪能できる鮮やかな作品となりそうだ。

対応ハードはWindowsとMacで、公式サイトにて3.77ドルから購入することが可能だ。リリースは氏の祖母の誕生日である4月5日を予定している。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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