『ロマンシング サガ – ミンストレルソング – リマスター』発売前夜祭生放送まとめ。開発裏話てんこ盛り、青の剣は“想定の3倍”入手しにくかった
スクウェア・エニックスは11月30日、YouTubeのサガ公式チャンネルにて「#ミンサガリマスター 前夜祭生放送」を放送した。本番組では『ロマンシング サガ – ミンストレルソング – リマスター』およびオリジナル版の開発者たちによる、ネタバレを交えながらの貴重なトークが繰り広げられた。なお本作はNintendo Switch/PS5/PS4/iOS/Android向けに本日12月1日より発売。PC(Steam)向けには明日12月2日発売予定だ。
なお本稿では放送内で語られた本作のネタバレを含むため、閲覧の際は留意されたい。
お笑いタレントのペンギンズ ノブオ氏がMCを務める今回の放送には、『サガ』シリーズ総合ディレクターの河津秋敏氏のほか、リマスター版ディレクターの上野真史氏、リマスター版プロデューサーの三浦宏之氏が出演。冒頭ではこれまでの「#ミンサガリマスター まるわかり生放送」などで公開されてきた、リマスター版の内容が改めて紹介された。
そして番組中盤では、オリジナル版でバトルデザインを担当した小泉今日治氏が登場。小泉氏と河津氏の出会いに関するエピソードから始まり、オリジナル版について今だから話せる裏話を語り合う座談会がスタートした。
ペンギンズ ノブオ氏からの第一の質問は、「真サルーインが難しい理由」というもの。サルーインとは、本作に登場するボスであり、ある特定の条件下で段階的に強化されるボスだ。そして最終段階のサルーインはユーザーから「RPG史上最強のボス」とも評されており、真サルーインと呼ばれている。
小泉氏によれば、真サルーインは公式隠しボスとして生み出されたとのこと。思い切り強くしていいだろうという判断から、小泉氏自身が勝てないようなバランスにしたという。勝てる段階のサルーインを徐々に強くしていく調整を施し、最終的には小泉氏自身も倒せない真サルーインが完成。発売前のテストプレイの段階では、小泉氏は最終段階一歩手前のサルーインに勝つのがやっとであったとのこと。一方テストプレイチームについては、強力な術の1つである「クイックタイム」を駆使することで真サルーインに勝利できたそうだ。
さらに「連携」システムについてもノブオ氏により質問が投げかけられた。小泉氏は連携システムのの誕生にまつわるエピソードを披露。『サガ フロンティア』から登場し、本作にも採用されている連携システム。同システムは小泉氏と共に『サガ』シリーズに携わっていた髙井浩氏と、「まくり飛び蹴りアッパー昇龍拳」のような格闘ゲームのシステムを取り入れたいというアイデアをもとに誕生。技を組み合わせて名前が生成される自動命名など、諸々の要素は当時のプログラマーと協力して生みだされたという。なお、『サガ』シリーズでお馴染みの「閃き」システムの発案者も小泉氏とのこと。『サガ』ならではのバトルシステムを生み出した、小泉氏の大きな功績がわかるエピソードだ。
ちなみにノブオ氏からは、「青の剣の確率を設定したのは誰?」という質問も飛び出した。今回の放送にて、“犯人”は小泉氏だということが明らかになった。RPGでも屈指の入手難度を誇るアイテムである青の剣だが、PS2の乱数の仕様で、小泉氏の想定よりも3倍ほど難しい入手確率になってしまったという。
そのほか、リマスター版に追加される強化ボスについても小泉氏は言及。小泉氏は監修という立場で、直接的な調整などには関わっていないという。一方で開発チームが作成した各強化ボスのテストプレイには参加したとのこと。小泉氏はいずれの強化ボスも「楽しめた」と語っており、真サルーインの生みの親によるお墨付きが出たかたちだ。何体かの強化ボスはすでに生放送内で実機プレイがお披露目されているものの、まだ明かされていないボスたちもそれぞれ“楽しめる”強敵に仕上がっていることだろう。
番組終盤には、ノブオ氏が強化ボスの1体である「デス」に挑戦。リマスター版スタッフによる、小泉氏が調整していたオリジナル版のデスを強化したらこうなるだろうという想定のもと、強化版のデスは調整されたそうだ。とある新要素にまつわる全体技「開門」を放つデスとの激戦の行く末は、ぜひ自身の目で確認してほしい。ただし、本編のネタバレを大いに含むため、未プレイの方は留意されたい。
『ロマンシング サガ – ミンストレルソング – リマスター』は、Nintendo Switch/PS5/PS4/iOS/Android向けに、本日12月1日より発売される。PC(Steam)版は12月2日に発売予定だ。