『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』の“パフォーマンス問題”への指摘が国内外で集まる。野心に伴うカクつきや処理落ち

株式会社ポケモンは11月18日、『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』を発売した。堂々の発売を迎える一方で、パフォーマンスに関する指摘が国内外で飛び交っている。

株式会社ポケモンは11月18日、『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』を発売した。さまざまな新要素を取り入れた野心的な新作として堂々の発売を迎える一方で、パフォーマンスに関する賛否が国内外で飛び交っている。

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『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』は、『ポケットモンスター』シリーズの最新作。ゲームフリークが開発を手がける。本作の最大の特徴は、オープンワールドを舞台に、境目なくシームレスに広がる街や大自然が楽しめること。広大なフィールドで新たな冒険が繰り広げられる。

オープンワールド化に伴って、進行順の固定化を廃止。決められていない順序でゲームの攻略が可能。そのほか、戦闘フェイズに移らずポケモンと戦うレッツゴーなど、これまでの『ポケモン』シリーズのセオリーを見直した野心的な要素が数々盛り込まれている。そしてその野心の大きさに伴ってか、パフォーマンスが低下するシーンも発生。そしてパフォーマンスをめぐっての賛否が寄せられている。

たとえばPolygonやIGNといった海外メディアは、本作のパフォーマンス面の問題を指摘。Polygonでは3人のライターがそれぞれ20~40時間遊んだが、フレームレートの大幅な低下に遭遇し、時折クラッシュしたとの報告。IGNについては、「デイワンパッチ(Ver.1.0.1)を当てている状態でも、自分が経験した中でもっとも動作が悪いポケモン。Nintendo SwitchでリリースされたAAAタイトルの中でもワーストのひとつ」とコメントしている。国内でも本日18日のTwitterトレンドにはたびたび「処理落ち」のワードが入っている。では実際、ゲーム内の処理落ちはどのような状態なのだろうか。


反響を呼んでいるのは、Twitterユーザーcherrim氏の投稿だ。ゲーム序盤でコダックを捕まえるところを収めた動画であるが、モンスターボールの投擲後、コダックが収まる演出を含め、かなりのカクつきが見られる。また背景ではオブジェクトが登場したり消えたりするシーンも見られ、かなりインパクトのある映像だ。この動画が、パフォーマンスの悪さを指摘する例として拡散されている。cherrim氏によると、この動画は最新の更新データを当てた状態で、携帯モードで撮影した映像だという。TVモードで遊んでいる際には、こうしたカクつきは発生していないとも報告している。似たような事例は国内でも報告されているので、cherrim氏の投稿は特殊な例ではなさそうだ。


『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』はオープンワールドを採用していることで、広大なフィールド上でロードなしに冒険が展開される。それゆえに、オブジェクトや環境に応じてカクつきが発生する。30fpsに満ちてないシーンも多い。そしてその発生頻度は携帯モードかTVモードかで変わるようだ。

YouTubeチャンネルのPotato Spud Gamingは、携帯モードとTVモードで本作のフレームレートを検証。どちらもfpsとしては30に届いているシーンは少ないながら、オブジェクトが多い場所では若干TVモードの方がfpsの値は高い。またカットシーンや戦闘シーンでは30近い数字で出ている時間も長い。携帯モードとTVモードのいずれにせよ、オープンフィールドでの探索シーンでは、カクつきが発生しやすいのだろう。

またSNSではダウンロード版購入者向けに、microSDカードの運用について助言するユーザーも見られる。転送速度の高いUHS-I対応のものを使うか、本体ストレージに移して遊んだ方がいい、あるいは、本体ストレージ容量を空けたほうがいいといった助言だ。これらの助言がどれほど有用かは不明であるが、ゲームを遊ぶ環境によってはパフォーマンスも変わるのかもしれない。

筆者も本作をプレイしているが、少なくともfpsについては、一般的なゲームの標準ともいえる30に届いていないシーンが多いのは確か。昨今別のプラットフォームでは、60fpsを標準に備えるハイエンドゲームも多く、120fps対応のゲームも出てきている。そんな中で30fpsに満たないゲームに対してパフォーマンスへの指摘や不満が出てくるのは当然のことだろう。


一方で『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』は、高品質なモデルやアニメーションも実現している。ゲームプレイにおいても、過去作から大きく進化。一方でオープンワールドの表現においては、カクつきなどが伴っている。Nintendo Switchの本体性能の問題もあり、オープンワールド表現とパフォーマンスは天秤のような側面もある。フレームレートが落ちたとしても、このオープンワールドが見たかったというユーザーもいるだろう。


とはいえ、モデルが登場したり消えたりといった奇妙な現象は、明らかに没入感を損ねる不具合である。そうした不具合や、クラッシュを引き起こしかねない問題などは、アップデートによる改善を期待したいところだ。

『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』は、Nintendo Switch向けに発売中だ。



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Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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