「ジョー・バイデン」を名乗る『ギルティギア』プレイヤーに注目集まる。大統領本人なのか、米大手紙がホワイトハウスに真面目に直撃
アークシステムワークスの対戦格闘ゲーム『GUILTY GEAR XX ΛCORE PLUS R』の大会に、現職の米国大統領と同じ名前をもつJoe Biden(ジョー・バイデン)なるプレイヤーが現れ、にわかに注目を集めているようだ。海外メディアPC Gamerなどが報じている。
『GUILTY GEAR XX ΛCORE PLUS R』は、2012年稼働の対戦格闘ゲーム。PC(Steam)やNintendo Switchでも配信されており、いまも根強い人気を誇る作品である。本作に特化して大会を催しているコミュニティも存在し、上に掲載した「Guilty Gear ACPR Discord」もそのひとつ。10月24日に投稿されたこのツイートでは、北米・欧州のプレイヤーが参加したトーナメントの結果が報告されている。
その1位に輝いたプレイヤーをよく見ると、「U.S.A.|Joe Biden」というプレイヤー名となっている。米国大統領と同じ名前である。さらに、各プレイヤーは自らのTwitterアカウントも公開しており、このプレイヤーのアカウントは、なんと「@POTUS」とされている。これは歴代の米国大統領が使用する公式アカウントだ。現在はバイデン大統領が使用している。こうした状況を受けて、コミュニティ内では「御年79歳のバイデン大統領は、実は『ギルティギア』プレイヤーだった」と妙な盛り上がりを見せることとなった。
もちろん、バイデン大統領本人ではないだろうという前提で、皆冗談を言い合って楽しんでいる。ただ実際のところ、バイデン大統領を騙る偽者であると確認されているわけでもない。そんななか、米大手紙ワシントンポストが動いた。バイデン大統領は『ギルティギア』プレイヤーなのか、そして問題のプレイヤーJoe Bidenは大統領本人なのかを、ホワイトハウスに直接問い合わせたという。しかしホワイトハウスは返答せず、否定も肯定もしなかったとのこと。
今回注目されたJoe Bidenなるプレイヤーは、2020年ごろからさまざまな大会に出場している模様。『GUILTY GEAR XX ΛCORE PLUS R』を中心に、『GUILTY GEAR -STRIVE-』や『ストリートファイターIII 3rd STRIKE』などもプレイしており、上位に入ることも少なくない。なかなかの実力者のようだ(start.gg)。
そして『ギルティギア』シリーズにおいては、チップ=ザナフをメインに使用。一部では「チップ使いの大統領」としてかねてより知られた存在だったようだ。Riot Gamesにて『Project L』を手がけるPatrick Miller氏は前出のワシントンポストに対し、Joe Bidenは北米でもっとも上手いチップ使いだろうとの感想を述べたという。ちなみに、チップは大統領になるという野望もつアメリカ出身(本人は日本出身と主張)のキャラクターとして登場。最新作『GUILTY GEAR -STRIVE-』では、自らが建国した国の大統領に就任している。シリーズ1作目から参戦している人気キャラクターであり、Redditには“大統領キャラ”としてのファンアートも投稿されている。
なおワシントンポストは、ホワイトハウスには回答を拒まれてしまったものの、プレイヤーJoe Bidenに会ったことがあるという人物にも取材。それによると彼は、今年1月に開催された大会「Frosty Faustings XIV 2022」に、Tom Nook(『どうぶつの森』のたぬきちの英語名)という名前で参加していたという。start.ggのプロフィールでも、その履歴が確認できる。
取材に答えた人物によると、大きな大会にJoe Bidenという名前で出場すると物議を醸す恐れがあると家族や恋人から心配され、代わりにたぬきちを名乗ったとのこと。そして当時のTom Nookの対戦映像には、とても79歳には見えない若々しい男性が映っていたのだった。
【UPDATE 2022/10/28 17:35】
チップの背景について追記し、Riot Gamesの表記を修正