恐竜サバイバル『ARK』販売元はフリープレイ提供で約5億円、Games Pass提供で約3億6500万円受け取っていた。人気ゲームのサブスク契約内容が赤裸々に
現在の各コンソールでは、サブスクリプションサービスを通じてもユーザーにゲームが提供されている。PlayStation Plusのフリープレイや、Xbox Game Passなどのことだ。そうした提供タイトルについて、ユーザーは追加料金を支払うことなくプレイできる。ということは、各プラットフォームホルダーが、タイトルを提供したメーカーに相応の支払いをおこなっているということになる。
タイトルあたり数万人や数十万人、あるいはもっと多くの人にプレイされているものとみられ、どれくらいの支払いが発生しているのか興味深いが、そうした話はなかなか外部には伝わってこないもの。ただ、あるタイトルについての具体的な金額が最近判明し、注目されているようだ。YouTuberのGPなどが取り上げている。
サブスクへの提供によってメーカーが得た金額が判明したのは、Studio Wildcardが手がけたオープンワールド・サバイバルアクションゲーム『ARK: Survival Evolved』についてだ。2019年1月にXbox Game Passに、そして2022年3月にPS Plusの海外向けフリープレイに提供されたタイトルである。同スタジオの親会社Snail Gamesが、新規上場をおこなうために米国証券取引委員会に提出した書類のなかで、問題の金額が報告されていた。
提出された書類にてSnail Gamesは、『ARK: Survival Evolved』は同社の収益の過半数を占めるフラッグシップフランチャイズであるとコメント。2022年6月末までにPC/コンソール版が7650万本インストールされており、そのうち3840万本が無料プロモーションを通じたものとのこと。無料プロモーションとは、すなわちSteamやEpic Gamesストアなどでの無料配布や、PS Plus/Xbox Game Passへの提供ということだろう。
そして、本作をPS Plusのフリープレイにて5週間のあいだ提供するために、SIEはSnail Gamesに350万ドル(約5億1200万円)を支払ったという。一方Xbox Game Passへの提供については、マイクロソフトは2022年前半の6か月間のライセンス料として、Snail Gamesに250万ドル(約3億6500万円)を支払ったと記載されている。
今回かなり具体的な金額が明らかになった。PS Plus向けとXbox Game Pass向けで同期間あたりの金額が異なる点については、PS Plusのフリープレイではユーザーが配布期間終了後もゲームを保有できるなど、サービスの内容がそれぞれ異なることが背景のひとつにあると考えられる。
また、あらゆるタイトルが同じ条件での支払いを受けているわけでもないようだ。デベロッパーのBig Cheese Studioは今年8月、料理シム『Cooking Simulator』をXbox Game Pass向けに提供することを、地元ポーランドのワルシャワ証券取引所に報告。その書類のなかで同スタジオは、マイクロソフトから一括での支払いとして60万ドル(約8800万円)を受け取ったと報告している(Twisted Voxel)。少なくともXbox Game Passにおいては、さまざまな契約条件が提示されることがうかがえる。
なお、今回のSnail Gamesの提出書類では、Studio Wildcardの次回作『ARK 2』について、マイクロソフトから230万ドル(約3億3600万円)を受け取ったことについても報告されている。PC/Xbox Series X|S向けに2023年に早期アクセス配信予定の同作は、配信初日からXbox Game Pass向けに提供される。その契約に基づく支払いであり、Xbox Game Passには3年間提供される予定であることも明らかになっている。