ワイン醸造家シム『Hundred Days』PC版が期間限定で無料配布中。剪定から出荷までこなすワイン事業、Epic Gamesストアにて
Epic Gamesストアにて9月9日、ワイン生産管理シミュレーション『Hundred Days – ワイン造りシミュレーター』(以下『Hundred Days』)の無料配布が開始された。期間内にアカウントを新規作成またはログインして入手すれば、期間終了後も保有しプレイ可能だ。配布期間は9月16日午前0時まで。本作は日本語表示に対応している。定価は2580円。
『Hundred Days』はBroken Arms Gamesが手がけるシミュレーションゲーム。家庭の事情で突如ワイン生産者として働く羽目になった女性が主人公だ。ワイン造りのノウハウをゼロから学びつつ、少しずつ農場、醸造所、倉庫、販売網を大きくしてゆこう。
……と書くのは簡単だが、このゲーム、なかなかに難しい。まず剪定手法一つとっても、それによって収穫できるブドウの成熟度、品質、数量が変わってくる。天候にも左右される。そして何よりワインを造るにはそれなりの時間とお金がかかるのだ。一つの銘柄を作るにもたくさんの工程があり、同時進行でやった方がよいものもある。さらに複数の品種から同時に作るとなると、やらねばならないことは多岐にわたる。しかしリソースは無限ではない。その取捨選択が、ボードにピースを埋めるパズルとして表現されている。ここに資金繰りや天候の影響が加わって、ゲーム全体の難易度を高めている。
ワインにはボディ、甘さ、タンニン、酸味、典型性の5つのステータス値があり、作るワインによってその理想値は異なる。数ステップにわたる製作段階を経てこれらの値を調整してゆく必要がある。この過程を通じて、ワインの基礎知識はもちろんのこと、ブドウ品種の知識、果ては醸造技術に関する知見までもが身につくだろう。序盤はとれる選択肢も少ないが、資金を使ってテクノロジーツリーのさまざまな設備を解放してゆくことで、徐々にできることが増えてゆき、最終的に納得のいく一品が出来上がるわけだ。テクノロジーツリーでは倉庫を拡張したり、販売を自動化したりすることも可能。
とにかく何から何までやらねばならず、考えることが多い。「何から何まで」というのは「ブドウを摘むところから出荷するところまで」ではない。「土地を買うところから誰に出荷するか決めるまで」だ。前述の剪定手法だけでも3種類あり、土地の構成成分によってどの剪定手法が効果的かは変わってくる。出荷の際にも売る相手による違いを見極めねばならない。たとえば、ディスカウントストアは買い叩いてくるので利益率は低いが、その分注文数は多く、一気に資金を回収できる。そのほか、ワインの保管やラベルのデザインに至るまで、複雑かつ膨大な選択肢が用意されている。
本作にはエンドレスモードやチャレンジモードのほか、ストーリーモードも用意。ストーリーモードは、物語に沿ってゲームシステムが解説されていくチュートリアル代わりともいえるモードだ。展開されるストーリーにもなかなか起伏があり、抜かりない作りこみが見られる。なおストーリーモードでのワイン造りを引き継ぐという筋書きは、チーフデザイナーの実体験とのこと。本作内で描かれる、一癖も二癖もあるワイン業界関係者にも、モデルがいるのではないかと勘繰ってしまう。
『Hundred Days』は、9月16日午前0時までEpic Gamesストアにて無料配布中。この機会をお見逃しなく。なおEpic Gamesストアでは毎週1~2本のゲームが無料で提供されている。来週はキツネアクションADV『Spirit of the North』と宇宙船キャプテンADV『The Captain』が配布予定だ。