「ニンジャスレイヤー」のSteamゲーム、急遽タイトル名変更。そもそも関連ゲームだと認知されてないことに公式が気づく

「ニンジャスレイヤー」公式Twitterアカウントは8月17日、Steamで販売中の関連ゲーム『AREA 4643』のタイトル変更を発表した。理由は「ニンジャスレイヤーのゲームだと知らなかった」という人が、大勢いることが判明したためだという。

サイバーパンクニンジャアクション小説「ニンジャスレイヤー」公式Twitterアカウントは8月17日、Steamで販売中の関連ゲーム『AREA 4643』のタイトル変更を発表した。新たなタイトルは、原作小説のタイトルを加えた『NINJASLAYER : AREA 4643』となった。変更の理由は「ニンジャスレイヤーのゲームだと知らなかった」という人が、大勢いることが判明したためだという。


『NINJASLAYER : AREA4643』はサイバーパンクニンジャ都市・ネオサイタマを舞台にした見下ろし型アクションSTG。Twitter連載の日本語訳小説「ニンジャスレイヤー」を原作に、ダイハードテイルズ・ゲームスとインディーゲーム開発スタジオ・デスモフモフのタッグで、PC(Steam)向けに制作された。
【UPDATE 2022/8/17 19:10】
原作についての説明を追記

本作はもともと、前述のとおり『AREA 4643』というタイトルで2018年12月21日よりSteamで配信されていた。それが今になってタイトル変更されたきっかけは、先日おこなわれたイベントRTA in Japan Summer 2022にあったようだ。


数々のゲームのスピードクリアを目指す本イベントで、『AREA 4643』も出走対象ゲームとなった。走者のフラパン氏が、原作の主人公であるニンジャスレイヤーことフジキド・ケンジを使用してRTAに臨んだ。押し寄せる敵と弾幕を、鮮やかな自機のコントロール、そしてショットとボムで対処。最終ボスに苦戦しながらも、予定タイムよりも早い13分15秒で鮮やかにクリア。プレイと同時に解説までおこなったフラパン氏の盛り上げにより、コメント欄も奇妙なハイテンションのコメントで大いに沸いていた。そんななか、ある疑問も飛び交っていた。『AREA 4643』が「ニンジャスレイヤーのゲームだということを知らなかった」という声だ。


もちろん、視聴者の多くは「ニンジャスレイヤー」の公式ゲームであることを理解しており、同作の作風に合わせたコメントもまた同RTAの魅力であった。一方で、『AREA 4643』というタイトル名をぱっと見では「ニンジャスレイヤー」のゲームだとわからないとの声も散見されていた。たしかに、プレイを見ても原作へとたどり着けない人がいてもおかしくはないだろう。

これを受けて「ニンジャスレイヤー」公式アカウントは、ゲーム名の変更を発表。変更後は『NINJASLAYER : AREA 4643』と、原作タイトル「NINJASLAYER」を含めた形になった。Steamのストアページには、「RiJの様子を見たところ、誰もニンジャスレイヤーのゲームだと気づいていなかったため、タイトルに入れました」と追記されている。もともと「ニンジャスレイヤー」公式アカウントもRTA in Japan Summer 2022には注目していたようで、だからこそ視聴者の反応に敏感に対応できたのだろう。一方、当のフラパン氏は、自分のプレイが公式を動かすことになったことに驚いているようである。


そんな『NINJASLAYER : AREA 4643』だが、なぜ「ニンジャスレイヤー」のゲームだと気づいてもらえなかったのか。それはニンジャスレイヤー要素がディープなファン、いわゆる「ヘッズ」に特化している部分にあったのではないだろうか。

タイトルに入っている「4643」という単語は、ゲーム中に登場する架空の企業「ヨロシサン製薬」をもじったもの。これだけではファンでなければ気づけないだろう。さらにストアページのスクリーンショットを見ても、ニンジャスレイヤーの姿は存在しない。ニンジャスレイヤーは後に追加されたキャラクターで、ローンチ当初は登場していなかった。根強い人気を誇るヤクザ天狗などは初期から登場しているが、そこまで詳しくない層は見逃してしまいそうだ。


また「テキストなどが変な日本語翻訳風」という特徴に気づけば、いわゆる「忍殺語」に気づき、「ニンジャスレイヤー」だ、となるかもしれないが難しそうだ。いずれもヘッズにはニヤリとできる、非常に喜ばしい部分ではある。ただし、作風や文化を含めて全体的にハイコンテクストな作品でもある。

ひとまず、今回のタイトル変更でゲーム『AREA 4643』が「ニンジャスレイヤー」公式ゲームだと気づきやすくなったことは良いことだろう。素直に「ニンジャスレイヤー」のゲームを探し始めた新規層のもとにも届きやすくなった……と願いたい。

『NINJASLAYER : AREA 4643』はPC(Steam)向けに配信中だ。



※ The English version of this article is available here

Koutaro Sato
Koutaro Sato

何でも遊びますがメトロイドヴァニアとトレハン、ゲーム内の釣りが大好物。クリエイターやプレイヤーの人となりと、彼らが生み出す盛り上がりが大好きです。

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