スクエニの実写推理ミステリー『春ゆきてレトロチカ』最新アプデで遊びやすさぐっと向上。バッドエンドが見やすくなりテンポ操作性かなり改善
スクウェア・エニックスは8月10日、『春ゆきてレトロチカ』のアップデートv1.0.3を配信開始した。課題であったリプレイ性の問題やテンポを改善する取り組みとなっている。
『春ゆきてレトロチカ』は、スクウェア・エニックスの発売するミステリーアドベンチャーゲームだ。開発はh.a.n.d.が手がけている。対応プラットフォームはPC(Steam)/PS4/PS5/Nintendo Switch。舞台となるのは日本。ミステリー小説家の河々見はるかが、科学者の四十間永司の依頼を受け、編集者の山瀬明里とともに、富士山麓にある永司の実家の四十間邸を訪問。そこではるかは、不老の果実ときじくをめぐる、大きな因縁の陰謀に巻き込まれていく。
本作は、実写映像をまじえて物語が展開される。実写映像で登場する俳優/女優も個性豊か。河々見はるか役は桜庭ななみさん。四十間永司役は平岡祐太さんが演じるなど、映画やドラマばりのキャスティングが設定されている。ゲームとしては、事件が起こるまでは基本的に映像を眺めるほか、事件発生後は推理パートによってプレイヤーが自らトリックと犯人を推理していく。要素をつなぎあわせて、うまく犯人の手口を暴くのだ。
『春ゆきてレトロチカ』は、二転三転する先の読めないシナリオや、自分で推理できるゲームとして本作ならではの個性を放っていた。一方で、ゲームプレイがメインのパートについては、Steamレビューなどで課題が指摘されていた。ざっくりいうと、テンポや快適さの面で配慮が及んでいないとの不満が出ていたわけだ。そうした影響で、ゲームパートが進行スピードを落としかねず、さらにゲームとしてのリプレイ性も損ねていた。
しかし本日配信された最新アップデートでは、課題であった部分がテコ入れされている。大きな変更として、中断がセーブへと変更となった。本作の推理パートが進行している際にはセーブができず、できることはあくまで中断のみ。それゆえに、推理を失敗するなどした際でも気軽にセーブ&ロードができなかった。本作では失敗した時の演者の反応も醍醐味だったが、そうした反応を見るのも面倒だったわけだ。しかし推理展開中にセーブが可能になったことにより、選択肢の直前でセーブをしておき、わざと失敗してロードといった遊びがしやすくなった。
また脳内推理編の遊びやすさもぐっと向上。カーソル速度が調整可能になった。デフォルトでややゆっくりめだったカーソル速度がいじれるようになっている。デフォルトが5で最大10まで速度を上げられる。選択のストレスが軽減したわけだ。またカーソル操作については、これまでは左スティックがスクロール、右スティックがカーソル操作となっていたが、左スティックでもカーソル操作可能になっている。
また脳内推理編では、手がかりをはめる際の模様表示がよりわかりやすくなった。こちらはデフォルトではオフだが、オンにすることで手がかりパズルがしやすくなっている。また手がかりをはめる際の“当たり判定”も広くなったようだ。さらに連結手がかりについても、順番にかぎらず連結できるようになった。さらにはめるごとにいちいち展開されていた仮説の演出もスキップ可能となった。
いずれの要素も、ゲームの遊びやすさを損ねていた点。筆者もアップデート後の仕様を確認したが、テコ入れされたことにより、かなり遊びやすくなった印象である。アップデート内容は以下のとおり(公式サイトより):
[推理におけるルール]の内容を一部調整
[中断]を[セーブ]に変更
[手がかり]移動チュートリアルの説明文を改修
第五章のメモの内容を改修
オプションに以下の機能を追加
【操作】
・(フリー&調査)カーソルを移動させる操作を、左スティックと右スティックのどちらにも設定できる機能
※Steam®版はコントローラー操作時
・(フリー&調査)カーソルの移動速度の調整機能
【模様ガイド】
・[謎]、[手がかり]の模様ガイドの表示有無の切り替え機能
脳内推理空間において以下の箇所を調整、改修
・有効範囲を拡張し、[手がかり]を当てはめやすく調整
・[手がかり]を掴んでいる状態でも路を動かせるように改修
・[仮説]を見た際に1セリフ毎にスキップできるように改修
・推理のまとめを一括でスキップできるように改修
・論理の路に複数の[手がかり]を連結する際、どこからでも[手がかり]を連結できるように変更
タイトル画面の「!」アイコンが消えなくなる不具合の修正
一定の条件下で設問へ入る前に映像が停止してしまうことがある不具合の修正
不備のあった韓国語テキストおよび、その他の言語テキストと映像の修正
その他、細かい不具合の修正
※ プロデューサーの江原純一氏のコメント
『春ゆきてレトロチカ』は、PC(Steam)/PS4/PS5/Nintendo Switch向けに発売中だ。
※ The English version of this article is available here