頼むから走れ「ぽんこつ車」、壊れかけの車を修理したりメンテしながら走る車旅シミュレーションゲーム『Jalopy』が開発中

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第222回目は『Jalopy』をピックアップする。

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第222回目は『Jalopy』をピックアップする。

カーシミュレーションゲームと言えば、現実世界では一般人が手を出せそうにない高級レースカーや特殊車両に乗るのも魅力の1つだろう。だが『Jalopy』はタイトルの「Jalopy(ぽんこつ車)」の通り、壊れかけの車をメンテナンスしたり給油したりしながら走り続けるという、なんとも渋い車の旅路をテーマにしたタイトルである。

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天候変化、昼夜のサイクルなど対応

『Jalopy』は、共産主義が終焉しつつある時代に、”壊れかけた鉄のかたまり”こと相棒の「ライカ601デラックス」と共に旧東ヨーロッパを走る1人の運転手の旅路を描く作品だ。プレイヤーは自動生成される道路をひたすら相棒と共に走り続けることになるが、この車はエンジンが故障したりすぐにタイヤがパンクするような”ぽんこつ”である。タイヤの状態が悪化したり、エンジンが故障したり、キャブレーターが壊れたり、泥が車体にこびりついたり。走行中には常に車の状態やガソリンの残量に気を使い、なんとかメンテナンスや給油をしつつ次の目的地までたどり着かなければならない。

ゲームの基本的な流れはこうだ。プレイヤーは積み荷や交換用のパーツなどをトランクに積み込み、複数のルートから1つを選択して走り始める。途中で車に給油したり、メンテナンスしたりしながら、次の町に辿り着く。その町でパーツや積み荷を売買したり、あるいは車をアップグレードしたりしながら、また次の目的地へ向かう。ゲーム内には通貨の概念が存在し、市場取引や国から国への密輸入などで資金を稼ぐことができるようだ。

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社内のインテリアはすべて実際に操作可能

またカーシミュレーションジャンルの作品でありながらも、ストーリーにも力が入れられているのが『Jalopy』の特徴の1つ。開発日誌によれば、返答や選択肢などは存在せず主人公もしゃべらないタイプの作品となる模様だが、NPCから話しかけられることが様々な場面であるという。1989年の東欧諸国の共産主義崩壊は、その後冷戦の終焉へと繋がるという背景もあり、どのような物語が描かれるのかは興味深いところだろう。

なお開発者のGreg Pryjmachck氏は、2009年から2014年まで「F1」ゲームの開発に参加していた人物とのことで、そんな人物が次に作ったのが「ぽんこつ車」のゲームとは面白い話である。彼は開発日誌にてどれだけ開発に時間を投じたかなど事細かに報告しており、気になる読者はチェックしてみるといいだろう。また『Jalopy』は現在Steam Greenlightにも登録されており、Steamでの配信を目指している。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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