ソウルライクアクション『Salt and Sacrifice』PC版の価格が一部の国で発売後に上下。ブラジルでは3倍近く値上げに
デベロッパーのSka Studiosは5月10日、ソウルライクアクションゲーム『Salt and Sacrifice』をリリースした。本作はPS4/PS5およびPC向けに配信中だ。そのうち、Epic GamesストアでのPC版の販売価格が一部の国で変更。大幅値上げとなった国もありファンが困惑しているようだ。海外メディアTechRaptorなどが報じている。
本作は、2016年にリリースされ高い評価を得た『Salt and Sanctuary(ソルト アンド サンクチュアリ)』の続編だ。プレイヤーは異端審問官となり、王国を混乱に陥れている魔術師たちを狩ることを目指す。2D版『ダークソウル』とも評された前作に続き歯ごたえあるゲームプレイを特徴とし、新たにオンラインマルチプレイ要素も導入している。
『Salt and Sacrifice』は、日本ではPC版もPS4/PS5版も1980円で販売中。米国では19.99ドルのため、現在の為替レート(19.99ドル=約2600円)に照らすと国内価格はやや割安になるが、ゲームにおいては一般的な日米での値付けだろう。
一方で、たとえばブラジルでは37.99レアルにて、PC版の予約受付がおこなわれていたという。これは日本円に換算すると約970円である。そのブラジルでの価格が、本作の発売後になって104.9レアル(約2700円)に変更されたそうだ。予約価格の実に3倍近くになる値上げとなった。
一見すると、安すぎた価格が修正されたようにも映るかもしれない。しかしブラジル現地においては、予約受付時の価格の方が適正とみることができる。国や地域によって物価が異なるためだ。たとえば前作『Salt and Sanctuary』も、日本ではEpic Gamesストアにて1880円で販売中のところ、ブラジルでは33.99レアル(約870円)である。
Epic Gamesストアでは、190以上の国や30以上の地域ごとの価格設定に対応しているという。同様の、発売元による地域別の価格設定はSteamでも見ることができ、Steam運営元Valveは各地での価格に影響を与え得るさまざまな要因を調査したうえで地域別価格を設定し、開発者に情報提供しているとのこと。
では今回なぜ、適正だと思われたPC版『Salt and Sacrifice』のブラジルでの価格が、大幅に引き上げられたのだろうか。本作を共同開発したDevoured StudiosのShane Lynch氏によると、すべてのプラットフォームでの価格を統一することを義務付けられていたため、価格を変更したそうだ。また、PS4/PS5版の価格について国ごとに設定することは、メーカーの立場からはできないとも述べている。
実は本作のPS4/PS5版は、ブラジルでは104.9レアルで販売されている。Epic Gamesストアでの変更後の価格と同じだ。おそらくソニーとの契約において、同じ国のなかでプラットフォームによって異なる価格を設定することは認められていなかったのだろう。
PS4/PS5版と同価格である以上、現地においてPC版が104.9レアルであることに割高感があるのかどうかは何ともいえないものの、何らかの独自のレートをもとに価格が変換されていることがうかがえる。そのためか、ブラジルではPC版が値上げとなったが、たとえばイギリスでは15.99ポンド(約2500円)から12.99ポンド(約2100円)へと値下げされたそうだ。
ほかにも、本作PC版が値上げあるいは値下げされた国がいくつかあるとのこと。国ごとの新たな値段設定の是非はともかく、開発元の事前の確認不足によって、ファンの困惑を招く結果となってしまった。前出のShane Lynch氏は、問い合わせをおこなったファンに対し謝罪している。
『Salt and Sacrifice』は、PC(Epic Gamesストア)/PS4/PS5向けに配信中だ。