対戦格ゲー『Mortal Kombat X』、最新DLCがPC版だけ発売されず。Warner Bros.とNetherRealmへPCゲーマーから怒り
Warner Bros. Interactive Entertainmentは、対戦格闘ゲーム『Mortal Kombat XL』および最新DLC「Kombat Pack 2」がPC上では発売されない予定であることを明らかにした。『Mortal Kombat X』が2015年4月に発売されてから、PC版ではバグやパフォーマンス問題が多くのプレイヤーから指摘されてきたが、今回の件でさらなる批判が集まりつつある。
ベータテストも除外
『Mortal Kombat X』は、2015年4月にPC/PS4/Xbox One向けにリリースされた残虐格闘ゲームシリーズ『Mortal Kombat』の最新作だ。開発はNetheRealm Studiosが担当。発売から10か月が過ぎようとするなか、先日Warner Bros.は全DLCを収録する『Mortal Kombat XL』を正式発表し、今年3月に北米と欧州でリリースすることを明らかにしていた。『Mortal Kombat XL』には、過去に発売された「Kombat Pack 1」と、今後リリース予定の最新DLC「Kombat Pack 2」、また予約者に向けた特典コンテンツが収録されるという。
この『Mortal Kombat XL』と最新DLCの対象プラットフォームに関してユーザーが質問したところ、Twitter上にてNetherRealmの公式アカウントは両作が「PS4/Xbox One上だけで利用可能になります」とコメント。また公式フォーラム上でもコミュニティマネージャーが同様の発言を残し、PC版はリリースされない予定であることが明らかとなった。
「Kombat Pack 2」はただのキャラクタースキンやくだらないコンテンツなどではなく、「レザーフェイス(悪魔のいけにえ)」「ゼノモーフ(エイリアン)」などの魅力的な新キャラクター4人を収録したDLCだ。PC版のプレイヤーたちがこれらのキャラクターでプレイするには、PS4版かXbox One版を買い直すしかないということになる。
これ以外にも、今週には『Mortal Kombat X』のオンライン対戦を改善するためのベータテストの登録受付がスタートしたが、PC版のプレイヤーは受け付けていないことが判明していた。PCプレイヤーのあいだでは、すでにWarner Bros.とNetherRealmがPC版のサポートを打ち切ったとの認識が広まりつつある。
Warner Bros.のPC移植
発売したビデオゲームのサポートをいつまで続けるのかは、パブリッシャーとデベロッパーが収益と開発コストを天秤にかけながら決めることだ。しかしPS4/Xbox OneでリリースされているものがPC上ではリリースされない、サポートされないというのは、すでにPC版を購入したユーザーにとっては納得できない報告だろう。またWarner Bros.かNetherRealmから、その点についてなにか事前に説明があったわけでもない。公式フォーラムでは今回の知らせに悲しみと批判の声が集まっており、「もうNetherRealmのゲームは二度と買わない」と語気を強めるユーザーも存在している。
ただ『Mortal Kombat X』のPCプレイヤーへの酷な仕打ちは今に始まったことではない。前述の通り、同作のPC版は発売当初からバギーな状態で、さらに配信されたパッチによってセーブデータが損傷するといった騒動も発生していた。当時からWarner Bros.とNetherRealmの対応を見ていたユーザーのなかには、今回の知らせにも「驚くようなことではない」と冷静に対応している者もいる。
パブリッシャーのWarner Bros.では、昨年からトリプルA級タイトルのPC版においてトラブルが続いている。PC版『Batman: Arkham Knight』は『Mortal Kombat X』以上のパフォーマンス問題が指摘され、最終的には購入者に対しシリーズ過去作をすべて配布するほか、2015年内の無条件返金を発表する事態にまで至っていた。