『Nintendo Switch Sports』にて、配信中にテレビを破壊したユーザーが現る。歴史は繰り返す
『Nintendo Switch Sports』をプレイしている最中にJoy-Conを手放し、テレビを破壊したユーザーがさっそく現れたようだ。配信中にテレビを破壊したことで、その様子が映像に収められている。VGCなどが伝えている。
テレビをクラッシュしてしまったのは、ストリーマーの63man氏。Twitchフォロワーは7387人の、最近活動し始めた新顔だ。同氏は自宅で『Nintendo Switch Sports』のテニスをしていたところ、Joy-Conがテレビに直撃。試合中にもかかわらず、手に口を当て呆然。そのままカメラをテレビに向け、その破壊っぷりを見せつけている。63man氏がプレイをやめたことでテニスの試合は負けたまま終わってしまった。
63man氏は、(テニスはJoy-Conひとつでプレイできるものの)両手それぞれにJoy-Conを握っており、右手でスイングをしていた。バックハンドのスイングをしたところ、手からJoy-Conがスッポ抜けてしまい、テレビに直撃してしまったかたち。テレビはというと、左上部が真っ黒になっており、壊れていることがはっきりわかる。左下部にはクモの巣状の亀裂が走っており、ここが着弾点だろうか。
では、『Nintendo Switch Sports』はこうした事故が起きやすいのかというと、そうではない。今回の原因はずばり、同氏がNintendo Switchに付属しているJoy-Conのストラップを装着していないことにある。というのも、『Nintendo Switch Sports』においては、とにかくしつこくストラップをつけることを注意喚起される。起動画面だけでなく、ゲーム中のロード画面においても、再三ストラップをつけろと言われるわけだ。そのほか、テレビとの距離をあけることや、子供は保護者と共にプレイすることなど、プロモーションやゲーム内でしつこいほど推奨される。そうした注意を無視した63man氏は、ストラップなく発射されたJoy-Conでテレビを破壊してしまったわけである。
任天堂は長年、テレビ破壊という課題に向き合ってきた。その向き合いは『Wii Sports』が発売された2006年から本格的に始まっている。Wiiと同時発売された『Wii Sports』は、全世界で大ヒットすると共に、世界中でWiiリモコンによるテレビ破壊報告があがることとなった。『Nintendo Switch Sports』と同じく、コントローラーを大きく動かすシステムだったからだ。 任天堂は発売時より、Wiiリモコンにストラップをつけて同作をプレイすることを推奨していた。しかしながら、ストラップをつけないユーザーや、ストラップがちぎれてしまったとするユーザーから、テレビ破壊報告が続々と寄せられることになった。
任天堂はストラップを、より太いものへと無償交換すると発表。専用ページや窓口が用意され、大規模なリコールとなった。プロモーションでも激しくWiiリモコンを振る演出がカットされるなど、その騒動は多岐にわたる影響を及ぼした。その後任天堂は、Wiiリモコンに装着するゴム製のWiiリモコンジャケットをすべてのユーザーに提供するとし、製品にも太いストラップやジャケットが同梱されることとなった。いわば、任天堂は“コントローラーすっぽ抜け”には、苦慮してきたのである。
それゆえに、『Nintendo Switch Sports』では徹底した注意喚起が実施されている。任天堂側としても十分に対策しているため、あとは個人の遊び方次第になってくるだろう。結局のところ、このように“ストラップなしで遊び、テレビを破壊するユーザー”は、一定数出てくると思われる。ちなみに、63man氏はこの破壊動画を公開したのち、自身のTwitterでもこの破壊動画を貼り付けている。皮肉にもテレビ破壊が結果的に同氏の知名度を上げている側面もある。代償であるテレビが高価なものなので、そう横行しないとは思われるが、Joy-Conによるテレビ破壊が注目を集めたいインフルエンサーのおもちゃとならないことを望みたい。
『Nintendo Switch Sports』は、Nintendo Switch向けに発売中。遊ぶ時は、必ずJoy-Conと手首にストラップを装着するように。