人の記憶を冒険する『To the Moon』の続編、『Finding Paradise』が発表。2017年初頭までにリリースへ
老人を月へ連れて行くことを目的とし、その演出や音楽から賞賛を浴びた『To the Moon』の続編が発表された。その名も『Finding Paradise』。開発元となるFreebird Gamesの中心スタッフKan Gao氏がYouTubeにティザートレイラーを投稿している。リリースは2016年末か2017年初頭とされている。
『To the Moon』は、RPG Maker(RPGツクール)で開発された2Dアドベンチャー。エヴァとニールというふたりの主人公が、依頼を受けた人々が眠っている最中に、その人の望む夢を見させるために奮闘する物語だ。ふたりは夢を見てもらうために機械を介して依頼人の記憶に潜り込み、「なぜ」その夢を求めており、どのような形で夢を見させるべきであるのか、突き止めなければいけない。ある老人の「月へ行きたい」という突拍子のない願望の正体を探すところから物語始まる。『To the Moon』は、夢の願望の正体を探すために記憶をたどっていく、ある種の時間旅行のような独特な体験が人気を生んだ。シナリオライター兼作曲家であるGao氏の繊細なピアノ音楽や二転三転する先の見えないシナリオも大きな魅力だ。
『To the Moon』の作中では、終盤に回収されていない数々の伏線が残っておりGao氏もさまざまな構想を打ち立て、ファンの期待も高まっていた。しかし『To the Moon』の世界を補完するようなミニエピソードの配信などは定期的に配信されていたが、続編にかんする動きはここ数年なかった。『To the Moon』のパート2であると当初公言されていた『A Bird Story』が2014年末にリリースされたが、『To the Moon』との関連がはっきりと作中では明かされていなかった。こうして告知と新作の間隔が長くなっていき暗雲立ち込める雰囲気が漂うなか、はれての正式な続編の発表となった。
『Finding Paradise』は、『To the Moon』の主人公エヴァとニールが続投され、『A Bird Story』に登場したコリンという少年が成長し依頼人になる物語だという。過去作との密接な結び付きにかんしてGao氏は「『Finding Paradise』は過去作品との強いつながりを持つが、スタンドアローンな作品で過去作をプレイせずとも楽しめるようになっている」と明かしている。またGao氏は新作のリリースが遅いというユーザーの声を意識してからか「過去にリリーススケジュールにかんしてはいろいろあったけれど、2017年初頭には必ず出す予定だ」とも語っている。
なお『To the Moon』の日本語版は現在、PLAYISMで配信中だ。