『Her Story』作者の最新実写ADV『IMMORTALITY』正式発表。失われた3本の映画と、消えた女優の行方を追う
デベロッパーのHalf Mermaidは3月17日、スタジオを率いるクリエイターSam Barlow氏が手がける実写アドベンチャー『IMMORTALITY』を正式に発表した。対応プラットフォームはPC/Mac(Steam)およびXbox Series X|Sで、Xbox Game Passにも提供される。今後その他のプラットフォームについても告知されるとのこと。リリース予定時期は2022年夏で、Steamストアページによれば、ゲーム内は日本語表示に対応する。本作は、2020年に『Project A███████』として伏せ字で発表されていたタイトルである。
『IMMORTALITY』は、実写映像で構成されたアドベンチャーゲームだ。本作は、行方不明になった女優マリッサ・マルセルを追う物語になるという。ゲーム中には、複数の年代が登場。各時代にマルセルが出演した映画の顛末が語られる。1968年には、アラン・フィッシャーなる監督の映画「Ambrosio」に出演。実在する作家マシュー・グレゴリー・ルイスのゴシック小説「マンク」を題材として撮影され、まだ無名だったマリッサ・マルセルは悪女マチルダとして抜擢されている。
続く1970年には、ジョン・デュリックという人物が、マルセルを出演させることを念頭においてスリラー映画「Minsky」を執筆。ニューヨークを舞台にした同作は、有名な芸術家の死をテーマにしており、マリッサは彼を殺害したと疑われるミューズ役で出演している。さらに1999年、同じくジョン・デュリックが休業明けの最後の作品として、ふたたびマルセルと協働。「Two of Everything」と題した映画は反体制的なスリラー映画で、ある著名なポップスターとその身体の二重性を探る作品だったという。
マルセルは、約30年間のうち3本の映画に出演した。ところが、これら3本の映画はいずれも世に出ることがなく、失われるか破壊されたとされている。消えたマルセルの行方と関係があるのか気になるところだ。そして物語は2022年にも言及。その記述はほぼ黒塗りで伏せ字にされており、「バーロウ/管理人 /調和」という単語だけが断片的に明かされている。トレイラーでは、マルセルの姿が映し出されたいくつかの映像が登場。映像の一部分にクローズアップする演出などが見られる。マルセルが映った断片的な映像をもとに、謎の真相に迫る内容となっているのだろう。
『IMMORTALITY』を手がけるクリエイターSam Barlow氏は、実写を扱ったアドベンチャーゲームの鬼才として知られる人物。2015年に発表された『Her Story』はBafta、IGF、GDC、The Game Awards 2015など数々のアワードの各部門を受賞した。ほか、2019年には実写アドベンチャー『Telling Lies』も手がけている。『IMMORTALITY』は約3年ぶりの新作となるわけだ。2020年の初報時には最新作が前作の「10倍は野心的な」作品になると語っており、期待がかかるところである。
『IMMORTALITY』は2022年夏にリリース予定。PC/Mac(Steam)およびXbox Series X|S向けに発売され、Xbox Game Passにも提供予定だ。