舞台は廃墟と化した居住地、1対1で戦う異色の対戦サバイバルゲーム『Refuge』が開発中。相手を倒すか相手よりも生き延びるか

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第213回目は『Refuge』をピックアップする。

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第213回目は『Refuge』をピックアップする。『DayZ』や『H1Z1』に牽引されたサバイバルゲームブームも収まりつつあるように見える昨今、本作は「1対1」をテーマにすえることで独自の魅力を盛り込んだ対戦型サバイバルゲームだ。プレイヤーは塔のようにそびえ立つ謎の居住地「The Ark」を舞台に、敵プレイヤーよりも長く生き延びることを目指す。

「The Ark」の地に導かれた2人のプレイヤーは、廃墟と化した居住地で数少ない装備品やアイテムを集め、体調を維持しながら生き延びることを目指す。一般的なサバイバルゲームと異なるのは、『Refuge』は対戦ゲームであり、どちらかが死んで勝者が決まらなければゲームは終わらないという点だ。

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スターターパック。生存重視か、攻撃重視か

ゲームをスタートすると、プレイヤーはまずプレイアブルキャラクターを1人選ぶことになる。射撃能力と追跡スキルが強力な「The Detective(探偵)」など、ゲーム中にはそれぞれ独自の素性と能力を持ったキャラクターが登場する。さらにプレイヤーは複数のアイテムが入った「スターターパック」を選び、生存重視で行くのか攻撃重視で行くのかプレイスタイルを決めなければならない。

「The Ark」の自然環境は過酷であり、天候や気温は操作キャラクターの体調に容赦なく影響を与える。ならわざわざ強力な武器を探し求め敵を倒しに行くよりも、ある程度の物資を持って建物や洞窟にじっと隠れた方が有利だろうと考える読者もいるかもしれない。しかし『Refuge』には「痕跡システム」が存在しており、煙突からの煙や窓に写った光、あるいは地面に残った足あとなどでプレイヤーの位置ばバレてしまうのだ。

「The Ark」の厳しい自然環境と「痕跡システム」により、『Refuge』は非常に戦略的な対戦サバイバルゲームとなるように見える。コンセプト通りに完成するなら、『Refuge』は単に互いの痕跡を調べて追いかけっこをするゲームに終わらず、装備が整うまで敵の追跡を逃れたり、あるいは痕跡を使って敵をおびき寄せたりすることができる内容となるはずだ。

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「The Ark」の洞窟や家屋には物資や隠れる場所が存在している

開発者のRoger Fox氏は、イングランドの小さな村で生まれ育った。当時は友人たちとともに”マンハント”と呼ばれる様々なバージョンの隠れんぼを遊んでいたそうで、その体験が『Refuge』にも影響を与えた模様だ。また同作に影響を与えたゲームとして、『風ノ旅ビト(Journey)』『Myst』『Bastion』『Monument Valley』『Limbo』『ICO』や、スタジオジブリの映画などが挙げられている。

なお『Refuge』はUnityを採用して開発が進められており、特徴的な白黒のモノクログラフィックを採用している。対象プラットフォームはPC/Macで、今後iOSでのリリースも目指しているという。現在はKickstarterキャンペーンを実施しており、開発資金2万5000英ポンドの獲得を目指している最中だ。独自の世界観と要素を盛り込んだ対戦型サバイバルゲームに興味を持ったのなら、こちらもチェックしてみよう。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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