非対称マルチプレイホラー『The Texas Chain Saw Massacre』は“キラー3人VS犠牲者4人”という珍しい構図。「悪魔のいけにえ」モチーフに新たな体験を構築

デベロッパーのGun Interactiveは2月14日、非対称ホラーゲーム『The Texas Chain Saw Massacre』がキラー3人、犠牲者4人の試合構造となることを明かした。同スタジオの公式ページにて、コラムが掲載されている。 
　

　
『The Texas Chain Saw Massacre』は1974年のホラー映画「悪魔のいけにえ」をモチーフとした非対称マルチプレイホラーゲーム。同映画は、レザーフェイスをはじめとした殺人鬼一家による惨殺事件を描いた作品だ。本作は2021年の発表当初より、キラー側がチームとなることが明かされていた。今回の発表により、改めてキラー側3人・犠牲者側4人となる内訳が明かされたわけだ。 

Gun Interactiveによれば、開発チームはゲームを設計するうえで、つねに「フランチャイズ・ファースト」のアプローチを取ってきたという。そして「悪魔のいけにえ」をゲーム化するうえでは、単純に殺人鬼のレザーフェイスだけにスポットを当てるだけでは足りないと判断したそうだ。 

本件については、Gun InteractiveのCEO/プレジデントであるWes Keltner氏がコメントを寄せた。開発チームとしては、（同社がかつて『Friday the 13th: The Game』を手がけたことを踏まえてか）二度同じゲームを作るのではなく、革新を取り入れ、ジャンルを前進させたいと考えていたとのこと。そこで、『The Texas Chain Saw Massacre』では新たに、キラー3人・犠牲者4人という構造が取り入れられたそうだ。非対称マルチプレイヤーを基礎から再考し、そのうえですべてのメカニクスや機能を作っていったとのこと。また映画「悪魔のいけにえ」がレザーフェイス単体ではなく、彼の家族全体を扱った作品であることから、犠牲者を追いかけるキラーを3人とすることは自然に感じられたと、Keltner氏は語る。 
　

　
そして、実際に3v4のゲーム構造を実装するうえでは、多くの要素が考慮されたそうだ。レベルデザインやゲームプレイデザイン、キャラクターデザインや振舞い、バランスなどがすべて、3v4という構造から影響を受けたという。Keltner氏によれば、とくに、3人のキラーのプレイや感覚を独自のものとしつつ、ゲームプレイの面白さを保つために、多くのバランス調整が必要となったそうだ。 

Keltner氏いわく、ゲーム内の空間で3人のキラーと4人の犠牲者が動き回る場合、レベルデザインに多くの時間が必要となったという。隠れるための物陰やアイテムを配置し、ゆっくり移動するための開けた空間を用意し、次の隠れ場所へ素早く移動するための廊下も配置するなど、マップ設計においても熟慮されたようだ。殺人鬼が3人いる場合は力が圧倒的になりうるため、恐怖からくる楽しさを保ったまま、犠牲者が次の動きを決めるのに十分な猶予を作るように心がけたとKeltner氏は語る。 

最終的には開発チームとして、3v4の構造が『The Texas Chain Saw Massacre』においてもっとも楽しめる構造だと分かったそうだ。キラーの家族が強力でありながらも圧倒的にならないように、また犠牲者が一人では無力でも協力すれば強力となるように、バランスが落ち着けているとのこと。
　

　
現状での非対称マルチプレイゲームといえば、キラー1人に対して生存者多数、という構図が多い。たとえば『Dead by Daylight』においては、キラー1人に対して生存者が4人。『Predator: Hunting Grounds』においても、プレデター1人に対してファイアチームが4人だ。直近の作品では、2021年リリースの『Propnight』も、キラー1人に子ども4人が対峙することとなる。そして Gun Interactiveが手がけた前作『Friday the 13th: The Game』においては、ジェイソン1人と、カウンセラー7人という対戦構図がとられていた。キラー複数人というのはかなり珍しい。スタジオとしては、前作で培ったマルチプレイゲームのノウハウを、『The Texas Chain Saw Massacre』でも生かしてくれることだろう。キラー3人対犠牲者4人という新たなルールが、どのような風をジャンルにもたらしてくれるか期待したい。  

本件に関する公式記事はこちらから参照のこと。『The Texas Chain Saw Massacre』のリリース時期は今のところ明かされていない。