「Nintendo Switch Online + 追加パック」加入者向けNINTENDO 64タイトルの動作が一部改善か。『バンカズ』配信に合わせたアップデートにて
任天堂は1月21日、「Nintendo Switch Online + 追加パック」加入者向けに『バンジョーとカズーイの大冒険』を配信した。NINTENDO 64向けに1998年に発売された人気タイトルであり、Nintendo Switch上ではエミュレーターによって動作しているものとみられる。そのエミュレーションについては、これまでユーザーからはさまざまな不満の声が寄せられていたが、今回のリリースに合わせたアップデートにて改善が施されたようだ。
Nightdive Studiosでクラシックゲームの移植などに携わるエンジニアであり、YouTuberとしても活躍するDimitris Giannakis氏は1月24日、Nintendo Switch Online向けNINTENDO 64エミュレーターのアップデートを検証した動画を投稿した。
これまで指摘されていた問題としては、ひとつには同サービス提供タイトル『ゼルダの伝説 時のオカリナ』でのグラフィック面が挙げられる。たとえば水の神殿に臨む場面では、オリジナル版では水面にリンクなどが映り込む表現がみられたが、Nintendo Switch版では何も反射せず、べったり貼られたテクスチャが流れているような状態だった(関連記事)。それがアップデート後には、反射表現が再現されるようになったという。また水面のテクスチャも、オリジナルにより近い自然な見た目になっていることがわかる。
一方で、同じく指摘されていた霧の表現については失われたまま。オリジナル版では水の神殿のエリアを含め、遠景には霧がかかって独特の雰囲気を生んでいたが、こちらはまだ再現できていないようだ。ただGiannakis氏によると、提供タイトルによってはレンダリングエンジンが更新され、霧の表現を実現しているものもあるという。『ゼルダの伝説 時のオカリナ』にも導入されるのは時間の問題かもしれない。
グラフィック面以外の問題としては、入力遅延が指摘されていた。ボタンを押してから操作が画面に反映されるまでに、オリジナル版以上のズレがあったということ。タイトルによって程度は異なるものの、Giannakis氏の検証では『ゼルダの伝説 時のオカリナ』においては、これまで5〜6フレームほどの遅延があったという。それが今回のアップデート後には、1〜2フレーム程度に軽減していたそうだ。
同氏は、まだ完璧とはいえないが、任天堂が改善に向けて取り組んでいる証左であるとコメント。また、エミュレーターを介して動作させている以上はある程度の遅延は致し方ない面もあり、これ以上の改善がおこなわれることはないかもしれないとも述べている。いずれにせよ、同氏としてはこれらの改善は満足できるレベルだとしている。
*新規追加された『バンジョーとカズーイの大冒険』の動作についてGiannakis氏は、一部にカクツキが見られるものの、ほぼオリジナルに忠実に動作していると評価。
このように改善がみられた部分がある一方で、そうでない部分もあるとユーザーからは指摘されている。たとえば、『マリオストーリー』でゲームオーバー時にゲームがクラッシュする問題は引き続き発生するという。この問題が発生した場合には、セーブデータが消失してしまうこともあるとされ、早急な対策が望まれる。
Nintendo Switch向けNINTENDO 64タイトルは、「Nintendo Switch Online + 追加パック」の加入者向けに提供中。来月2月には、『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』が追加される予定となっている。