梅原大吾氏、カプコンカップの賞金6万ドルを全額EVO奨学金制度へ寄付。「コミュニティなくして今の僕はない」
Mad Catzに所属するプロ・ゲーマーの梅原大吾氏(以下、ウメハラ選手)は、12月に行われた「カプコンカップ」の賞金を全額寄付した。この事実はShoryukenによって明らかになった。カプコンカップはアメリカのカルフォルニアで毎年行われるカプコン主催の公式大会。本年度は、前年度と同じく『ウルトラストリートファイター4』で試合が行われ、ウメハラ選手はみごと準優勝し6万ドルの賞金を手にしていた。
ウメハラ選手は「ウメハラ」や「Daigo」の名で親しまれる、格闘ゲーム界では知らぬ者はいない世界的有名プレイヤーだ。数々の格闘ゲーム大会で成績を残しており、2010年には海外のコンローラーメーカー「Mad Catz」と契約を結び、日本人プロ・ゲーマーのパイオニアとも呼べる存在となっている。そんなウメハラ選手が今回寄付をしていたのには、ある理由があったようだ。
“僕はカプコンカップ2015の準優勝の賞金を全額寄付しました。なぜならば、コミュニティなくして今の僕はいないからです。プロ・ゲーマーの生活は僕にかけがえのない体験を与えてくれています。僕は自分のすべてを世界のトッププレイヤーとの戦いにぶつけ、ファン達とも出会うことができました。僕はゲームを通じてコミュニティや観客に自分を表現できています。あなたが格闘ゲームで相手を見つけるのと同様に、コミュニティは僕にとって重要なものなのです。”
ウメハラ選手は自分のキャリアの形成に大きく影響をもたらしたコミュニティへの感謝を述べており、カプコンカップ2015に出場している時から今大会の賞金をコミュニティの貢献のために寄付することを決めていたようだ。また、ウメハラ選手は格闘ゲームの大会に出場することは、賞金を獲得することのみならず、ゲームをプレイすることで自己表現でき、すばらしい試合と喜びを与えてくれているとも述べている。
ウメハラ選手が寄付を行ったのはThe Evo scholarshipとよばれる奨学金制度だ。このEvo奨学金制度はNew York UniversityのTisch School of the Arts内、New York University Game Centerで行われているプログラム。EVOに関する研究や教育を推進しているようだ。EVOといえば世界有数の格闘ゲーム大会である。ウメハラ選手は格闘ゲーム大会EVOを通じてコミュニティへの投資を行ったと解釈できるだろう。このウメハラ選手の寄付によってEvo奨学金は2016年の秋まで生徒の募集が延長されるようで、さっそくその効果が現れ始めている。
一部では格闘ゲーム界のレジェンドとも呼ばれているほどの尊敬を集めているウメハラ選手。この一連の活動によってまた新たなる“伝説”が刻まれそうだ。