Razerが新たに開発中の製品を発表。ゲーミング机に振動ゲーミングチェア、そして進化したゲーミングマスクも
ゲーミング機器メーカーのRazerは1月6日、RazerStore LIVE CES Edition(以下、CES)にて、スマートウォッチ「Razer × Fossil Gen 6」、ゲーミングマスク「Razer Zephyr Pro」、ゲーミングチェア「Enki Pro Hypersense」、ゲーミングデスク「Project Sophia」などの新商品・開発中の製品を発表した。
Razer × Fossil Gen 6は、RazerとアメリカのファッションブランドであるFossilとの共同開発製品で、基本的なスペックはFossilのGen 6(第6世代)がベースとなっている。主な仕様としては、1.28インチのAMOLEDディスプレイを搭載し、Razer独自の3種のウォッチフェイス(Analog・Text・Chroma)、2種の交換可能のストラップが付属。また4種類のカスタマイズ可能なRazer Chroma RGBエフェクトが備わる。なおGen 6は、プロセッサとしてSnapdragon Wear 4100+を搭載している。
Fossilが得意とするヴィンテージ&クラシックな風合いと、Razerのグリーンカラーがうまく調和することで、現代風のアレンジを加えた独自のフォルムデザインとなっている。なおRazer × Fossil Gen 6は、世界限定1337個となっており、1月10日の午前8時よりRazerの公式オンラインストアにて販売開始予定だ。
Razer Zephyr Proは、電動マスクZephyrの上位モデルだ。Zephyrは電動の換気システムを備えた米国労働安全衛生研究所が認証する規格「N95」を準拠し、フィルターを通して外気を取り込める高機能マスクである。今回発表されたRazer Zephyr Proでは、新たに声を増幅することが可能なボイスアンプリフィケーションと呼ばれる技術が備わっており、マスクを装着中に話し声がこもってしまうことを防止するという。このボイスアンプは、当初Zephyrに搭載する予定の機能であったが(関連記事)、プロトタイプから製品化する過程で重量の懸念から削除された。今回Zephyr Proの登場によって再実装される形となる。
Enki Pro Hypersenseは、ゲーミングチェアEnki Proを基本スペックに、ゲームや映画で起こるアクションに合わせた振動や揺れを体感できる製品だ。劇場用の体感システムを手がけるD-Box社と共同開発した強力な触覚エンジンを、車輪の近くに搭載しており、アーケードスタイルの触感を生み出すように設計されているという。ゲームのリアリズムと快適な座り心地を両立することを目指した、次世代型のゲーミングチェアである。なおRazerの広報担当者がThe Vergeに語った記事によれば、本製品は「技術的にはコンセプト製品である」とのことで、具体的な価格や発売時期については公言されていないという。
最後にRazerはCESにて、現在開発中である世界初のゲーマーのためのデスクProject Sophiaも発表した。主な特徴としては、13個の交換可能なモジュールスロットを備えており、ユーザーはタッチスクリーンアプリケーションランチャー、マグカップヒーターやオーディオミキサーなど、さまざまな部品を追加することができるよう設計されているという。
RazerはこれまでのCESにおいて、多彩なプロトタイプを発表してきた。たとえば3つの4K液晶を備えたラップトップProject Valerieや、コックピット展開するゲーミングチェアProject Brooklynなど、実に多様性に満ちたプロトタイプの数々である。ただいくつかの製品はコンセプト止まりで商品化されていないのも事実。今回の発表においても、Enki Pro Hypersense、Project Sophiaというユニークなコンセプトの製品が発表されたが、それらが最終的に商品化に繋がるかどうかは定かではない。
Enki Pro Hypersenseは、ゲームプレイに触感を加えるユニークな試みであるし、Project Sophiaは、RazerがPCデスク自体がモジュール式であることに着目し、ユーザーが特定のニーズやユースケースに合わせてカスタマイズできることを可能にする野心的な製品である。これらの製品はゲームへの没入感を再考察するRazerらしいクールなアプローチだ。いちユーザーとしてこれら製品の商品化を願うとともに今後のRazerからの続報に期待したい。