Steam版『KOF ’98 UM FE』に大型アップデート配信。ロールバック方式のネットコードを導入し、オンラインロビー・観戦モードも実装

SNKは12月21日、対戦格闘ゲーム『THE KING OF FIGHTERS ’98 ULTIMATE MATCH FINAL EDITION』のSteam版向けに、大型アップデートを配信。ロールバック方式のネットコードの導入などをおこなった。

SNKは12月21日、対戦格闘ゲーム『THE KING OF FIGHTERS ’98 ULTIMATE MATCH FINAL EDITION』(以下、KOF ’98 UM FE)のSteam版向けに、大型アップデートを配信。ロールバック方式のネットコードの導入などをおこなった。

『KOF ’98 UM FE』は、対戦格闘ゲーム『KOF(ザ・キング・オブ・ファイターズ)』シリーズのひとつ『KOF ’98』のチューンアップ版だ。オリジナル版リリースから10年後の2008年にアーケードにて稼働し、家庭用向けにも展開。シリーズのなかでも特に人気の高い作品のひとつとして知られる。ちょうど7年前の2014年12月にSteam版が配信され、アーケード仕様としてゲームバランスの再調整や、全キャラクターの技の見直しなどを実施。新システム「アルティメットモード」を搭載し、またNEOGEO版『KOF ’98』も収録された。

本作についてSNKは今年10月、オンライン対戦向けにロールバック方式のネットコードを導入する計画を明らかにし、コミュニティベータテストをおこなうと発表。2回に分けて4日間実施されたベータテストでは、4000人以上が参加し、約12万試合がプレイされたという。そして今回大型アップデートが配信され、いよいよ正式実装されることとなった。


ロールバック方式のネットコードとは、物理的にどうしても遅延が発生してしまうオンライン対戦において、できるだけ快適なゲームプレイを実現するための技術のひとつだ。プレイヤーの入力にあらかじめ遅延を設けて同期を取る、従来広く利用されているディレイ方式に対して、ロールバック方式は対戦相手の入力情報とその予測をもとに、ゲーム画面の描画を調整することで遅延を吸収する仕組みとなっている(関連記事)。

本作に導入されたネットコードは、デベロッパーのCode Mysticsが開発。ディレイ方式とロールバック方式を組み合わせ、プレイヤーによる調整が可能なことが特徴だ。対戦相手のPing値から予測遅延フレーム数が提示され、プレイヤーはこれを参考に、遅延が何フレーム以下なら入力遅延させ、それ以上ならロールバックさせるのかを設定できる。

このほか、最大9名まで入室できる「オンラインロビー」と、「観戦モード」も実装された。こちらもベータテストがおこなわれており、コミュニティからは非常に好意的なフィードバックが寄せられていたとのこと。


SNKは昨年にもCode Mysticsと協力して、Steam版『KOF 2002 UM』にロールバック方式のネットコードを導入していた。またアークシステムワークスも、Steam版『GUILTY GEAR XX ΛCORE PLUS R』や『BLAZBLUE CENTRALFICTION』向けに同様の対応を実施(関連記事)。いずれも過去の作品ながら、快適なオンライン対戦を楽しめるようにと対応され、ファンからは好評のようだ。

『THE KING OF FIGHTERS ’98 ULTIMATE MATCH FINAL EDITION』は、PC(Steam)にて配信中だ。




※ The English version of this article is available here

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

Articles: 6817