『スマブラSP』桜井政博氏、話題の2人専用ゲーム『It Takes Two』を「ひとりでできなくもない」とコメント。しかし常人にはできない

 

『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』(スマブラSP)ディレクター桜井政博氏は12月11日、自身のTwitterアカウントを更新。『It Takes Two』について、ひとりでプレイできる可能性にふれた。しかし常人にはできないとツッコミを受け、さっそく話題を呼んでいる。


『It Takes Two』は、アクションゲームだ。開発元はHazelight Studios。同作では、夫婦2人が主人公となる。離婚を決意した2人の夫婦が、仲直りを望む娘がかけた“魔法”により、人形の姿となってしまった。頭がよく稼ぎ頭のメイ、自然を愛する専業主夫のコーディ。かつては愛し合い、今ではいがみあうメイとコーディの、人間に戻るためのドタバタ大冒険が描かれる。同作は発売直後から極めて高い評価を獲得しており、昨日開催されたThe Game Awards 2021でもGame of the Yearに選ばれた。

『It Takes Two』は、最近の作品としてはやや珍しい、2人プレイ専用ゲームとなっている。どちらかがメイを、どちらかがコーディを選び、それぞれを操作するのだ。ローカルマルチプレイとオンラインマルチプレイ両方に対応。一人のプレイヤーが購入すれば、その友人がゲームをもっていなくても遊べるフレンドパスなるシステムも導入されている。基本的には、友人や家族と2人で遊ぶゲームだろう。


しかし桜井氏の今回の投稿では、PS5のDualSenseを、縦および横に並べ両手でコントローラーを覆っている。添えられたコメントは「ふたり専用ゲームであることが最大の障壁だけど、ひとりでできなくもない…かも?」。しかし、さっそくユーザーの笑いを誘っており、「それができるのは桜井さんだけだ」といった具合に、総ツッコミを受けている。

というのも、桜井氏は『スマブラSP』のファイター紹介番組「つかいかた」にて、ひとりでふたつのキャラを操作するという芸当をたびたび披露していたからだ。基本的にファイターの新紹介では2つのキャラを並べた形式が多く、ワザ紹介などをする際は同時操作をしている。ほかにも「バンジョー&カズーイのつかいかた」では、ホームランコンテスト実装に際して、巧妙にふたつのコントローラーを操作しホームランをかっ飛ばし自虐。スタッフや視聴者の笑いを誘っていた。


そうしたシーンはたびたび見かけられ、古くは『スマブラX』開発の時点から、桜井氏がこうしたコントローラーの同時操作をしている姿が確認されている(GAME Watch)。対戦ゲームで仕様確認などをする上では、複数の手が必要なことも多い。そして常に近くに人がいるとも限らない。そうした事情もあり、開発やプレゼンなどを介して、ひとりでふたつのコントローラーを同時操作することは多かったのだろう。いわば桜井氏は、コントローラー同時操作のプロフェッショナルでありベテラン。そうしたことを自身も把握しており、ジョークまじりに今回のツイートをしたのかもしれない。

実際に『It Takes Two』を同時操作できるのかというと、常人には難しいだろう。同作では、足場を渡る場面やエイミングなど繊細な操作が要求されることも多い。基本的に、2人で遊ぶことを念頭に開発されているのである。筆者もこの投稿を見て同時プレイを試みたが、そもそも左右にいるキャラの情報を並行して把握し続けることすら難しい。操作をするならなおさら。すぐに同時操作を断念した。同作は3Dアクションゲームなので、情報量も多く操作難易度も低くない。普通の人ならば到底ひとりプレイはできないだろう。しかし“同時操作界のベテラン”桜井氏ならばできる可能性はありそうだ。


桜井氏のツイートもあくまでジョークまじりのもの。できると断言したわけでもない。ひとりでのプレイに希望をもった方はどうか潔く諦めて、一緒に遊んでくれるプレイヤーを探そう。しかし人探しをしてでも、プレイする価値は『It Takes Two』にはある。それほど高い完成度のゲームになっているのだ。

『It Takes Two』は連帯の楽しさも魅力のひとつで、一緒に遊ぶ人との仲を深められるゲームでもある。『スマブラSP』で対戦し喧嘩した後に、『It Takes Two』で仲直りするもいいだろう。桜井氏の茶目っ気まじりのジョークツイートにより、『It Takes Two』はその名をさらに広めることとなった。

『スマブラSP』はNintendo Switch向けに、『It Takes Two』はPS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S/PC向けに発売中だ。




※ The English version of this article is available here