Nintendo Switch/Steam版『ghostpia season one』2022年配信へ。不死身の人間たちの町で過ごす、異邦人の少女の日々

ヨカゼは12月4日、『ghostpia season one』のNintendo Switch/Steam版を2022年に配信すると発表した。『ghostpia』は、絵本のような温かみのあるビジュアルと、グリッチとノイズに彩られたノスタルジックな表現が特徴のデンシ・グラフィックノベル。

インディーゲームレーベル・ヨカゼは12月4日、デンシ・グラフィックノベル『ghostpia season one』のNintendo Switch/Steam版を2022年に配信すると発表した。オンラインショーケース「ヨカゼナイト」にて明かされた。 
 

 
『ghostpia』は、絵本のような温かみのあるビジュアルと、グリッチとノイズに彩られたノスタルジックな表現が特徴のビジュアルノベルだ。公称ジャンルとして「デンシ・グラフィックノベル」を名乗っている。2014年にApp Storeにてバージョン1.0を配信開始し、その後数年にわたりアップデートを実施。2018年には第4話までが公開されてきた。また、ブラウザ版も公式サイトにてプレイ可能となっている。 

本作の舞台となるのは、雪に閉ざされた終着駅の町だ。この町では短い昼の時間を終えると、不死身の人間たちがあふれ、自身らを「幽霊」と称していた。そんななか、主人公の小夜子はこの町でたったひとりの異邦人であった。周囲にはルームメイトの女の子ヨルや、厄介事解決のプロであるパシフィカ、町の修理屋で働くアーニャなど個性的な面々が取り囲む。 

小夜子はこの町での生活を気に入っておらず、故郷へ帰ることを夢見ている。誰も超えたことのない、町を囲む雪の砂漠を越えて、あるかもわからない故郷。忘れていた「大事なこと」を思い出したい、というのが小夜子の望みだ。ミサイルの刺さった広場、ぼろぼろになった廃駅など、町にはどこか不思議な景観も。どこにも行けない町で、無残なかわいさとさびしい暴力に満ちた物語が展開される。 
 

 
本作では、アドベンチャーゲームによく見られるQTEやストーリー分岐を採用していない。その分のリソースを、一本のシナリオを徹底的にブラッシュアップするために注ぎ込み、まるで一本の長編映画のような濃厚な物語体験を追求している。本作では独自のゲームエンジン「ノベラリウム」を使用しているという。今回は「season one」として発表されており、オリジナル版の話数ごとにシーズンを分割してリリースするのかもしれない。 

本作を手がけるのは、国内のインディーゲーム開発サークル超水道。かつてメンバーが高校生だったころから結成し、今年11月に13周年を迎えた老舗クリエイティブグループだ。2021年には過去作『佐倉ユウナの上京』の再リリースを果たしたほか、ディレクターの蜂八憲氏が小説を立て続けに発表するなど、独自の創作活動が続けられてきた。昨今は『ghostpia』の移植開発に注力しており、その成果がお披露目となるかたちだ。 

ghostpia season one』Nintendo Switch/Steam版は2022年発売予定。またiOS版が無料配信中のほか、公式サイトでもブラウザ版をプレイすることが可能である。 

Yuki Kurosawa
Yuki Kurosawa

生存力の低いのらくら雰囲気系ゲーマーです。熾烈なスコアアタックや撃ち合いを競う作品でも、そのキャラが今朝なに食ってきたかが気になります。

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