メタ視点アドベンチャー『The Stanley Parable: Ultra Deluxe』仰々しく2022年前半に延期。三度目の延期発表もメタ演出

Crows Crows Crowsは12月3日、現在開発中のアドベンチャーゲーム『The Stanley Parable: Ultra Deluxe』を、2022年前半に配信すると発表した。当初発表から3度目の延期となるが、現時点でコンテンツに関しては完成しているとのこと。

デベロッパーのCrows Crows Crowsは12月3日、現在開発中のアドベンチャーゲーム『The Stanley Parable: Ultra Deluxe』を、2022年前半に配信すると発表した。当初発表から3度目の延期となるが、現時点でコンテンツに関しては完成しているとのこと。


『The Stanley Parable: Ultra Deluxe』は、2013年にリリースされ高い評価を得た『The Stanley Parable』のリメイク版だ。とあるオフィスに勤めるStanleyを主人公とする一人称視点のアドベンチャーゲームであり、もともと『Half-Life 2』のModとして制作されたことでも知られる。メタ視点をもつナレーションが存在することが大きな特徴で、オフィスを探索するなかではStanley=プレイヤーの行動にナレーターが反応。その言葉をどのように受け止め、行動に反映するかによってゲームはさまざまな方向へ展開していく。

リメイク版においては、まずUnityにコードを移植し、PCに加えコンソールでもリリースされる。そして、オリジナル版のコンテンツをすべて収録したうえで、新たなコンテンツや選択肢、エンディング、隠し要素などが追加されるという。ビジュアルのアップグレードや、アクセシビリティ機能への対応もおこなわれる。またテキストについてはオリジナル版を超えるほどの量があるようだ。また、テキストのローカライズも新たに実施されるが、現時点では日本語はサポートされないようだ。

本作は、ちょうど3年前のThe Game Awards 2018にて発表され、当初は2019年発売予定としていたが、その後2020年、2021年発売へと延期。そして今回、ふたたび延期することとなった。延期を発表した上の映像では、例のナレーターが「ゲーム開発者とは何ぞや」を語っている。彼いわく、それはファンに大胆かつ恥ずかしげもなく嘘をつく存在であり、実現できるはずもない発売日を約束することもあると述べる。

本作においては、それ(2019年発売)が嘘であることが一度バレてしまったが、非現実的なスケジュールをさらに提示し、「心配するな」「今度こそ間違いない」とファンに語りかけ続けるのもまた、ゲーム開発者というものらしい。もっとも、あまりに多くの“嘘”を重ねたことで発表自体がゲームのようなものとなり、開発者の“約束”が現実のものなのか否かも曖昧に。ナレーターは、もはや一喜一憂すべきではないのかもしれないとファンに呼びかける。

しかし、本作のSteamページに「2022年前半配信」と新たなスケジュールが記載されていることを知るや否やナレーターは大喜び。とはいえ、開発者を信じるのはこれが最後だと述べ、警戒心をあらわにする。彼は、語るべき新たな物語がたくさんあり、これ以上待つことはできないとし、さっさと開発作業に戻るんだと開発者に語りかけている。本作のテイストを活かした延期発表というわけだ。


ナレーターに最後通牒をつけられ(させ)た開発者のDavey Wreden氏によると、当初計画したよりも増加した脚本が、本作の開発期間が延びた原因とのこと。そして、現時点ではコンテンツ面は完成しており、プレイテストとバグ修正をおこなっているところだという。具体的な発売日に関しては、コンソール版の認証作業にかかるスケジュールを考慮しつつ、大作とバッティングしない時期を選びたいとしている。

『The Stanley Parable: Ultra Deluxe』は、PC(Steam)およびコンソール向けに、2022年前半配信予定だ。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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