クランクを回して遊ぶ携帯型ゲーム機「Playdate」出荷開始時期を2022年初頭に延期。来年1月からは対応ゲーム開発ツールを提供開始

パブリッシャーのPanicは11月12日、携帯型ゲーム機「Playdate」について、2022年初頭に出荷を延期すると発表した。バッテリー不良が発見されたことが延期の理由だという。

パブリッシャーのPanicは11月12日、携帯型ゲーム機「Playdate」について、2022年初頭に出荷を延期すると発表した。これまでは、予約を受け付けた最初の2万台について、2021年末までに出荷予定だとしていた。バッテリー不良が発見されたことが延期の理由だという。
 

 
Playdateは、74x76x9mmサイズの薄くコンパクトな筐体をもつ携帯型ゲーム機だ。筐体横にクランクを搭載することが大きな特徴となっており、前後にグルグル回す操作がアナログ入力として機能。開発者は、クランク操作をさまざまなかたちでゲームプレイに活かし、Playdateならではの独自のゲーム体験を生み出すことができる。このほか、超高反射型の2.7インチモノクロディスプレイを搭載し、十字キーやABボタンなども備える。

本機の購入価格には、シーズン1として提供される計24本の対応ゲームも含まれており、最初に起動してから毎週2本ずつ配信される。このなかには、『塊魂』の生みの親である高橋慶太氏が手がける『Crankin’s Time Travel Adventure』や、『Getting Over It with Bennett Foddy』で知られるBennett Foddy氏の『Zipper』などがある。また、シーズン形式以外のかたちでのゲーム配信も計画されている。

Playdateの予約受付は今年7月30日に開始。ただ予約希望者が殺到し、特に日本を含む米国外からの注文が正常におこなえないトラブルが発生した。まったく同じ時間に他社も大きな製品を発売していたことで、国際送料計算をおこなうパートナーのサーバーが処理しきれなくなったことが原因だという。結果的に、2021年内に出荷するとしていた2万台は17分で完売。そして今回、年内出荷を断念すると発表された。
 

 
Panicによると、最初に出荷する5000台のPlaydateが生産工場から届き、テストをおこなったところ、バッテリーの不良が確認されたという。Playdateは省電力設計となっているが、バッテリーがすぐに消耗して起動できなくなるものや、充電すらできないバッテリーが多数見つかったそうだ。そこで同社は、すぐに生産を停止するよう工場に指示。別のサプライヤーから新たなバッテリーを調達し、すべて交換することを余儀なくされたとのこと。なお、開発者向けに先行提供したPlaydateでは問題はなかったそうで、何が起こったのか調査中だとしている。

Playdateの現在の出荷スケジュールは、予約注文を完了できた順に5つのグループに分けられており、最初の2万台までのグループ1・2は2022年初頭、2〜4万台までのグループ3・4は2022年後半、4〜5万台までのグループ5は2022年後半の遅い時期に設定。そして5万台以降については、2023年の出荷になる見通しとのこと。

なお2022年後半からは、改訂バージョンのメイン基板での生産に切り替えるそうだ。世界的な半導体不足などの影響を受け、入手性の高いCPUを使用できるように改訂するという。新しいCPUでもPlaydateのゲーム体験は何も変わらず、生産計画の安定化に繋がるだろうとしている。
 

 
このほか、ウェブブラウザにてPlaydate用ゲームを開発できるツール「Pulp」について、2022年1月からパブリックベータを実施することが発表。また、C言語やLua言語をサポートする完全なPlaydate用SDKは、2022年2月から提供開始することも明らかにされた。これまでには、シーズン配信されるゲームのバグ修正や、Playdateのファイルシステムのアップデートなども進めてきたそうで、ハードウェア以外の部分については順調に開発が進められているようだ。

Playdateは、公式サイトにて予約受付中。価格は179ドル(約2万円・送料別途)である。専用カバーも販売されている。現在予約すると、おそらく2022年後半以降の出荷になるだろう。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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