『ディアブロ II リザレクテッド』発生中の不具合や今後の対応についてBlizzardが説明。キャラクターの進捗巻き戻り現象などに触れる
Blizzard Entertainmentは10月15日、現在販売中の『ディアブロ II リザレクテッド』にて発生している不具合の内容および、解決に向けた今後の計画について説明した。
本作は、2000年に発売された『Diablo II』とその拡張パック「Lord of Destruction」をリマスターしセットにした作品だ。PC/Nintendo Switch/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One向けに今年9月24日に発売されたが、プレイヤーからはサーバーの障害や、キャラクターの進捗の巻き戻りなどの報告が寄せられていた。
『ディアブロ II リザレクテッド』においては、すべてのキャラクター情報および進捗状況を把握するための唯一の情報源としてグローバルデータベースを設置。さらに、負荷と遅延を軽減するために各地域に地域データベースを置き、各地域のプレイヤーのキャラクター・進捗情報を保存し、地域データベースからグローバルデータベースに定期的に書込みをおこなっているそうだ。
こうした構造において、10月9日には同時接続プレイヤー数の大幅な増加により、全世界でサーバーダウンが発生。前日に配信した、ゲーム作成時のパフォーマンス向上を目的としたアップデートにより、グローバルデータベースに異常な負荷をかけてしまったことが一因だったという。その後も、サーバーダウンやデータベースのパフォーマンス低下が発生しながら、多くのプレイヤーが接続する状況が続き、その都度Blizzardは対応をおこなってきた。
問題の背景には、最新の技術に合わせてサービスの最適化をおこないつつ、オリジナル版のゲームを忠実に再現するために、あえて多くのレガシーコードを内部的に残していたことがあるという。
現在、本作の攻略においてはゲームの作成・ロード・破壊を連続しておこなうことが多く、これによってデータベースへの負荷が大きくなっていたそうだ。そうした攻略法はオリジナル版当時にはあまり多く利用されていなかったこともあり、負荷はBlizzardの想定を大幅に超えていたとのこと。また、グローバルデータベースへの保存頻度を必要以上に高くしていた内部構造も要因だったという。今後については、グローバルデータベースへの保存頻度を大幅に下げ、サーバー負荷を大幅に軽減する予定だとしている。
一方、キャラクターの進行状況の無効化や巻き戻しの不具合については、地域データベースとグローバルデータベースの両方に進捗情報が保存されている内部構造に起因すると説明。現時点の対処として、サーバーがクラッシュした場合、データが巻き戻る不具合が起こったとしても数分程度にとどめる処理を入れたとのこと。また、根本的な解決処置にも取り組んでいるとした。
このほか、一時的な緩和措置として、ゲーム作成・参加する際のデータベースの操作回数の制限を実施。さらに『World of Warcraft』に導入したようなログインキューの作成や、重要なサービス機能を細かく分割して遂行していくことなども挙げられている。詳細については公式サイトを確認してほしい。
現在本作については、問題を診断して修正するまでを最速で実施するために、Blizzard全体で事例をリアルタイムで管理しているとのこと。同社は今回の問題について謝罪したうえで、開発者としてだけでなく、プレイヤーやコミュニティのメンバーにも満足してもらえるゲーム体験が得られるようになるまで、全力で作業を遂行すると約束した。
『ディアブロ II リザレクテッド』は、PC/Nintendo Switch/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One向けに販売中だ。